出会いは人生を変える。まさに今日はそれにふさわしい箇所です。盲人で乞食のバルテマイがどのように変えられたかを見ていきましょう。
1、つながるための叫び
エリコは、オアシスの町、また、パレスチナで最も古い町の一つ。標高マイナス250mという低い場所にあり、もう少し下ると死海に着きます。
ユダヤ人の大事な祭り、過ぎ越しの祭りが目前に迫っていたので、多くの人がエリコを通過してエルサレムを目指して上っていきました。
盲人で、乞食のバルテマイが人通りの多いところに座っていたのでしょう。主イエスの一行が付近を通ると知ると急に叫びだしました。
ところが、ナザレのイエスだと聞くと、「ダビデの子のイエスさま。私をあわれんでください。」と叫び始めた。(マルコ10:47)
バルテマイは主イエスの噂を聞き、この方こそ救い主、ダビデの子孫として生まれると旧約聖書に預言されたメシアだと確信して、「ダビデの子」と呼びました。マルコの福音書で唯一主イエスを「ダビデの子」と呼んだ人物がバルテマイです。
まことの神を知らない人は、バルテマイと同じように霊的な意味で闇の中にいます。見たことのない方を完全に知ることは不可能です。知りえる情報から判断して、この方こそ救い主と知る以外道はありません。
「あなたが本当の救い主ですか。教えてください」そうあなたが叫ぶなら、あなたは必ず、主イエスの応答をもらえます。
もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。わたしはあなたがたに見つけられる。(エレミヤ29:13~14)
主イエスは、バルテマイに応答されました。
すると、イエスは立ち止まって、「あの人を呼んで来なさい。」と言われた。そこで、彼らはその盲人を呼び、「心配しないでよい。さあ、立ちなさい。あなたをお呼びになっている。」と言った。(49節)
主イエスとつながりたいというバルテマイの祈りは、このようにして主イエスに届きました。弟子たちがバルテマイに主イエスの言葉を伝えると、喜びのあまり上着を脱ぎ捨て立ち上がりました。
あなたの番です。
あなたも、主イエスに届く祈りをしましょう。あなたを知りたいのです。あなたご自身を私に教えてください。私はあなたを信じます。そのように祈りましょう。
2、未来を切り拓く願い
主イエスは、バルテマイに尋ねました。
そこでイエスは、さらにこう言われた。「わたしに何をしてほしいのか。」すると、盲人は言った。「先生。目が見えるようになることです。」(51節)
シャルル・ペローの「3つの願い」という話は興味深い寓話です。
きこりの夫婦が森で一本の木を切ろうとすると、木の妖精が現れ、この木を切らなければ3つの願いをかなえようと言うのです。言葉に従い、何を願おうかと考えいましたが、奥さんが「大きなソーセージが食べたいな」とつい口に出してしまいました。目の前に見たこともない巨大なソーセージが出てきました。大事な願いをつまらんことに使いおって、そんなソーセージはお前の鼻にくっついてしまえ、と夫が言い捨てました。すると、その通りになり、奥さんは困り果て、結局3つ目の願いは、それを外すことに使いました。
私たちは、何を望んでいるのでしょう。たくさんのことを、ぼやっと願っているだけです。主イエスは、バルテマイの信仰を引き出したのです。
「コーチング」という言葉があります。会社の社長や専門職が、新たな飛躍を求めて個人コーチを付ける例が増えてきました。カウンセリングは、どちらかといえば過去の問題の解決を志向しますが、コーチングは未来に向かって自分の行動を変えることを目指すと言われています。コーチングのプロは、課題を明らかにしたり、承認したり、励ましたり、目が覚ましたり、気づくことを促進させようと、的確な質問を投げかけます。そうなのです。良い質問は、漠然としていては出てきません。良い質問が人を育て、引き上げます。
主イエスの質問を読んで、当たり前のことを聞くなあ、と思わないでください。実に的確で的を得た質問なのです。
「そのとき盲人の目は開かれ、耳しいた者の耳をあけられる。」(イザヤ35:5)
51節で、「盲人は言った。『先生、目が見えるようになることです。』」とあります。盲人がそういう事は大変困難なことです。
バルテマイは、自分をいじめた人に仕返しがしたいと答えることもできました。世界一の金持ちになりたいとも言えます。けれども、主イエスと対面していたバルテマイは、その出会いによって、心が整えられ、大胆に求めることができたのです。
あなたの番です。
「わたしに何をしてほしいのか。」と主イエスに今日聞かれたら、あなたは何と答えますか。
するとイエスは、彼に言われた。「さあ、行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのです。」すると、すぐさま彼は見えるようになり、イエスの行かれる所について行った。(52節)
主イエスは、バルテマイを励まし、その信仰を肯定されました。あなたの信仰がこんな素晴らしい結果を導き出したのだと。ダビデの子であるとバルテマイが認めたこと、大声で求め続けたこと、主イエスの質問を受けて見えるようになりたいと言ったことなど、主イエスはバルテマイの信仰が素晴らしと励ましました。
バルテマイは、その後どうしたでしょう。見えるようになった目で主イエスを見つめ、主イエスの後に従う者になりました。金持ちの青年ができなかったことをバルテマイはいとも自然に行うことができました。
今日、三度目のあなたの番です。
あなたも、主イエスにいやされたなら、罪ゆるされたなら、主について行く人生を選びましょう。