決断は、あなたを成長させる。
勇気をもって大きな決断をするとき、あなたの信仰は飛躍的に成長します。
1、時を見分ける
月日は流れた。ヤコブは20年間ラバンの下で、ついら労働に耐えてきた。
「私は昼は暑さに、夜は寒さに悩まされ、眠ることもできない有様でした。」(創世記31:40)
14年間はラバンの二人の娘との結婚費用として、その後6年も余分に働きました。
現代の会社風に言えば、経費はすべて自分持ち出し、不可抗力で起きた損害は自分がすべて被り、残業手当も休暇もない過労死寸前の状態と言えます。
あなたは、今日、似たような状態にいますか。こんな会社辞めてやると言い捨てながら、毎日同じ繰り返しでいいのでしょうか。あなたの生活、仕事、スケジュールを見直しましょう。
追い討ちをかけるように、ラバンの息子たちのヤコブへの態度が険悪になり、ラバンの態度もフレンドリーとはいえません。(1~2節)
そんなとき、主はヤコブに語られました。
「あなたが生まれた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたとともにいる。」(創世記31:3)
あなたにとって、生まれた国に帰りなさいとはどんな意味ですか。人によっては、本当に引っ越すことを意味するでしょう。ある人にとっては、自分の原点に帰ることかもしれません。人生は長くありません。主の前で悔いの残らない歩みをしましょう。
クリスチャン青年のドゥウィット・ウォーレスは会社を解雇され、それを機会にして、心に温めていたビジネスを始めました。本の要約や心励ます記事をまとめた小さな本を出版しました。その雑誌が「リーダーズ・ダイジェスト」で、やがて世界で何億部も印刷されるまでに発展しました。ウォーレスも、主に行き先を示され、決断して祝福をつかんだ人です。
大切な決断は、あなたがしなければいけならないのです。主の指示を仰ぎ、時を見極めましょう。大きな決断は、あなたの信仰は強めます。
2、不遇に咲いた花たち
神は20年間沈黙しておられたが、目を閉じていたわけではありません。
「ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た。」(創世記31:12)
不遇の20年間と思えた年月ですが、主の恵みが野の花のように咲いていることにヤコブは気づきました。
第1の花とは、羊などの財産が飛躍的に増えたことです。「それで、この人は大いに富み、多くの群れと男女の奴隷、およびらくだと、ろばを持つようになった。」(創世記30:43)
ヤコブは、働いた報酬としてぶち毛やまだら毛、黒毛の羊をラバンに要求しました。白い羊をもらうと、取った取らないと後で争いになるので、色のついた羊を申し出たのです。主の恵みと守りの中で、また主から頂いた知恵のおかげで、色のある羊はたいそう増えたのです。(創世記30:27~43)
第2の花とは、大勢の子供です。ルベンからヨセフまで、結局11人の息子が生まれました。二人の妻のいさかいは絶えずヤコブも苦しみますが、これらの子供たちがユダヤ12部族の祖となったのです。神の奇しきご計画としかいえません。子孫が増えるという主の約束がこのようにして実現しました。
苦しみの中で、知らず知らずのうちに、美しい花が咲いていることがあるのです。あなたの番です。苦痛の中で咲いた花は何ですか。悩みと辛さの中で身に付けた良き物はなんですか。
3、決意をサポートしてくださる神
ヤコブは環境の変化に気づき、主の励ましを受け、自分で一歩を踏み出しました。ラバンに挨拶もせずに、生まれ故郷に帰ることにしました。ラバンに嫌われることを恐れません。
あなたは、ノーと言える人ですか。多くの人は断れない自分に愛想をつかしています。あなたが恐れているのは、大好きな人に嫌われることではなく、付き合い程度の人に嫌われるのを恐れているだけです。劣悪な環境から出ましょう。ノーと言いましょう。新しい生き方を始めましょう。
あなたを主から引き離す人、罪に誘う人、否定的にさせる人、そういう人からはきっぱりと離れましょう。
決意をサポートしてくださる主は、ヤコブの妻たちの心を整えてくださいました。これは大きな力です。レアとラケルは、「さあ、神があなたにお告げになったすべてのことをしてください。」(16節)とヤコブの決断を支持してくれました。(創世記31:14~16)娘は自分の父を大切にするものですが、レアとラケルは父に失望しきっていたのです。
主の第二のサポートは、ラバンに釘を刺してくださったことです。ヤコブが逃げたと知ったラバンは血相を変えて追いかけてきました。ですが、ヤコブに会う前夜、夢でラバンに忠告されました。
「しかし神は夜、夢にアラム人ラバンに現れて言われた。『あなたはヤコブと、事の善悪について論じないように気をつけよ』」(創世記31:24)
主からの力強いサポートでした。おかげで、ヤコブはラバンと不戦条約を結び、ご馳走を食べて平和に分かれることができました。(創世記31:43~55)
一人の男子大学生が教授に授業後に呼ばれ、叱られたことがありました。もっと男らしくなりたまえ。答えを知っているなら、きちんと答えなさい。大学生は、私はどうしようもない人間なのです、と返事をしました。教授は、負け犬のようなことを二度と言ってはいけないと諭した後に、「君を造られた神に、私を変えてくださいと祈ってごらん」と励ましてくれました。
大学生は、廊下を出て、長い階段を下りました。下から4段目で足を止め、言われたとおり真剣に祈りました。それが彼の人生を変えるターニングポイントになりました。この大学生の名は、ノーマン・ピール、後に牧師になり、積極的人生を語る第一人者になりました。
主が道を示されたなら、主がその道のすべてであなたを守られます。神は、ベテルの神だからです。ベテルで約束されたことを、必ず守る神です。
「わたしはベテルの神。あなたはそこで、石の柱に油を注ぎ、わたしに誓願を立てたのだ。さあ、立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさい。」(創世記31:13)
ベテルの神を信じて、あなたも踏み出しましょう。
あなたの番です。
□時を見分けて、離れるときです。何から離れますか。
□不遇に咲いた花を数え、感謝しましょう。
□主があなたの決断を支えてくださいます。