1、忘れないため
イスラエルの人々は、ヨシュアが命じたとおりにした。主がヨシュアに告げたとおり、イスラエルの子らの部族の数に合うように、ヨルダン川の真中から十二の石を取り、それを宿営地に運び、そこに据えた。――ヨシュアはヨルダン川の真中で、契約の箱をかつぐ祭司たちの足の立っていた場所の下にあった十二の石を、立てたのである。それが今日までそこにある。――(ヨシュア4:8~9)
ヨシュアは12部族の代表者に、ヨルダン川の川底から12の石をかついて来て記念碑を作るようにと命じました。(5節)それは、ヨシュアの思いつきではなく、神がヨシュアに命じたことでした。(2~3節)この石は、12人の信仰のあかしと言ってもよいでしょう。
私たちは忘れやすいので、記念碑が必要なのです。体が震えるほどの奇跡を経験しても、やがて感動は色あせます。目先の忙しさに追われ、辛い試練が来ると、そんな奇跡があったことすら忘れてしまいます。
この記念碑は、神が生きておられること、神が愛して下さったこと、神が偉大な奇跡をなさったことの「しるし」(6節)であり、「永久の記念」(7節)でした。
あなたの信仰の記念碑とは何でしょう。洗礼証明書ですか。海でバプテスマをした人は、高校野球のように海の砂を記念にボトルに入れますか。
あなたの信仰に意味のある写真や物を、家や職場に飾ってはどうでしょう。私のオフィスのデスク前の壁には、私の人生の危機の時に支えてくれた9組の人々の写真を飾っています。
2、子供に教えるため
後になって、あなたがたの子どもたちがその父たちに、「これらの石はどういうものなのですか。」と聞いたなら、あなたがたは、その子どもたちにこう言って教えなければならない。「イスラエルは、このヨルダン川のかわいた土の上を渡ったのだ。」(ヨシュア4:21~22)
記念碑は、記念碑自身が語りだすという特長を持っています。
これは何、と子供たちは記念碑を見て素朴に質問するでしょう。大人たちは、これは、神がヨルダン川を渡らせてくれた記念碑で、この石は全部ヨルダン川の川底から持ってきたものだと説明できます。
注意して下さい。信仰を子供に説明するのは母親ですか。いいえ、父親です。子供に信仰を教える責任は父親にあります。
子供は、父親から信仰の話を聞くのが好きです。たどたどしい言葉であっても、父親が神を信じている姿を子供に見せてください。子供は、だませません。単なる知識の受け売りでは、信仰は伝わりません。父親の信仰のあかしは、子供に伝わります。
もう一度言います。記念碑は、そこにあるだけで、あなたの信仰をあかしするチャンスを生み出します。勇気を持って、あなたの身近に置いてみましょう。
「これらの石はどういうものなのですか。」(21節)と聞かれる日を楽しみに待っていましょう。
3、未来を変えるため
あなたがたの神、主は、あなたがたが渡ってしまうまで、あなたがたの前からヨルダン川の水をからしてくださった。ちょうど、あなたがたの神、主が葦の海になさったのと同じである。それを、私たちが渡り終わってしまうまで、私たちの前からからしてくださったのである。それは、地のすべての民が、主の御手の強いことを知り、あなたがたがいつも、あなたがたの神、主を恐れるためである。」(ヨシュア4:23~24)
記念碑は、過去を懐かしがるという懐古趣味ではなく、実は、未来志向なのです。記念碑は、未来への勇気を与えてくれます。記念碑は、未来を変える力になります。これから、ずっと主を恐れ、神についていく励みとなります。
こんなにも神に助けてもらったのだから、これからは誰かを助けよう、という意思を与えてくれます。神からたくさんのものをいただいたから、神にたくさんのものをお返ししようと考えるのです。その思いこそがあなたの未来を変えます。
「あなたがたがいつも、あなたがたの神、主を恐れるためである。」(24節)
37歳でアメリカに派遣され、シリコンバレーで工場建設に携わった男性がいました。激務が連日のように続き帰宅が遅くなり、夫婦仲が悪くなってしまいました。数年後、奥さんが教会に通いだし、主イエスを信じ、家での姿が見違えるように変わりました。教会へは運転手として妻や子供たちを送っていたお父さん自身も、自分も主イエスをはっきりと信じるようになりました。
それから7年、牧師に召されたことを知り、やがて会社を早期退職、神学校に行き、牧師になり、癌のため働き半ばで神のもとに召されました。告別式で、息子さんがお父さんの変化について証しをされました。お父さんはクリスチャンになり、牧師になり、以前にはなかった笑顔が印象的だと語りました。招天式のプログラムには、お父さんの笑顔が大きくカラーで印刷されていました。これは、「記念碑」の一つといって良いでしょう。
残された奥さんは、夫が語り続けた主の福音メッセージを広く知らせるためにウェブサイトを開設されました。これもまた、記念碑です。
→あなたの番です
□写真でも、置物でも、あなたの信仰を記念する「記念碑」を飾りましょう
□お父さん、あなたの信仰のあかしを子供に話しましょう
□受けた恩を、神と人に返しましょう