今、あなたに悩みがありますか。それは、人間関係、お金、病気のどれかではありませんか。
朝日新聞が2011年11月に調べた悩みについてのアンケートによると、5位が子育て、4位が自分の性格、3位は資産、2位が仕事、1位は健康でした。
ピリピ4章は、悩む人への励ましの言葉にあふれています。
1、仲直り
ユウオデヤに勧め、スントケに勧めます。あなたがたは、主にあって一致してください。(ピリピ4:2)
ユウオデアとスントケという女性がピリピ教会にいました。二人とも福音を熱心に伝える信仰者(3節)でしたが、何かのきっかけで仲たがいしました。異例なケースですが、パウロは二人を名指して仲直りするように語りました。
パウロは、ピリピの手紙において、話題の転換時に「兄弟たち」と呼びかける癖があります。(1:12、3:1、4:1、4:18)それで、4:1~7をひとつの段落、8節から9節を次の段落とみることができます。2~7節を、それぞれ関連のない小さな格言とみるより、仲たがいした二人へのアドバイスと取るほうが文脈にかなっています。
ほんとうに、真の協力者よ。あなたにも頼みます。彼女たちを助けてやってください。この人たちは、いのちの書に名のしるされているクレメンスや、そのほかの私の同労者たちとともに、福音を広めることで私に協力して戦ったのです。いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。あなたがたの寛容な心を、すべての人に知らせなさい。主は近いのです。何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。(3~7節)
パウロは6つの具体的な助言をしました。
1)第三者に支えてもらう(3節)
2)主にあって喜ぶ(4節)
3)寛容になる(5節)
4)思い煩いをストップ(6節)
5)まず、感謝を祈る(6節)
6)神に願いを明瞭に打ち明ける(6節)
誰かと誰かの間に入るのは、あなたかもしれません。主にあって喜ぶとは、主イエスが下さった恵みを数える生き方を言います。寛容な心は、横綱相撲のようで、大切な事は譲らないが、周辺的なことにはおおらかに接するのです。山の手線は一周60分で最初の駅に戻りますが、思い煩いは山の手線に一日中乗っているようなもので、時間の無駄で、良いことが一つもありません。ストップするだけで効果抜群です。祈りは愚痴から始めないで、感謝を先にする。感謝は見つけるもの、探すものなのです。強い求めがあるなら声に出して祈りましょう。ノートにはっきり書きましょう。誰かと二人で祈ると、もっと明瞭に祈れます。
そうすると、人間の考えにまさる神の平和が心を守ってくれます。(7節)
誰かと今、仲たがいしているなら、さっそくこれらの助言を実行してみましょう。夫婦が不仲になっているなら、この6つの原則がすぐに使えます。
仲直りの鍵は、相手との交渉ですか。違います。パウロによれば、あなたが変わると、相手が変わるのです。あなたと主イエスとの関係が正常化すると、仲直りのきっかけが生まれます。4~7節をもう一度読み直しましょう。
2、神の経済学
ピリピ教会はパウロのために何度も献金し、経済的にパウロの伝道を支えてきました。(14~16節)このたびピリピ教会は、エパフロデトを通じてローマの獄中にいたパウロに献金(18節)を届けてくれたので、パウロはそれを心から喜び、感謝を伝え、お金に関するパウロの見解を述べました。
乏しいからこう言うのではありません。私は、どんな境遇にあっても満ち足りることを学びました。私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。(11~13節)
貧しくても、富んでいても、どんな境遇にでも対処できる。それが、パウロの経済学の第一原則です。
私たちを強くする方、主イエスによってのみ、それは可能です。
パウロの経済学の第二原則は、神が必要のすべてを満たされるという事です。
私は贈り物を求めているのではありません。私のほしいのは、あなたがたの収支を償わせて余りある霊的祝福なのです。私は、すべての物を受けて、満ちあふれています。エパフロデトからあなたがたの贈り物を受けたので、満ち足りています。それは香ばしいかおりであって、神が喜んで受けてくださる供え物です。また、私の神は、キリスト・イエスにあるご自身の栄光の富をもって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます。(17~19節)
普通は、与えれば損をします。けれども神の経済学は違います。与えれば受け、損すれば得となります。人への寄付は、神への供え物となります。このような日常生活により、自分の必要が神によって満たされるのです。
お金の分野は信仰とは別、と考え違いをする人がいます。むしろ、お金の問題は、主の鮮やかな働きを見やすい分野だと、私は経験的に言えます。19節に線を引いておきましょう。
あなたも聞くだけで終わらせず、実行しましょう。そこに祝福があります。
あなたがたが私から学び、受け、聞き、また見たことを実行しなさい。そうすれば、平和の神があなたがたとともにいてくださいます。(9節)
シャロンは、ウィスコンシンの農場で育ちました。ティーンエイジャーになると、夜は牛小屋に入り、お父さんの手伝いをしました。その時、色々な悩みをお父さんにぶつけました。
私は大学に行けるかな。うちは裕福ではないから学費が心配。私は美人じゃないから、お嫁にいけないと思う。ロシアが攻めてきて、捕まったらどうする?父さんは一つ一つに真剣に応えてくれました。
当時は、一つ一つの事は真剣な悩みでした。でも、シャロンはいつしか成長し、大学を卒業できました。素敵な男性に出会いプロポーズされ、結婚し、子供も与えられました。そして、今では、孫もいる年齢になり、牛小屋で話した父との会話を遠く思い出しながら笑いながらこう言うのです。それにね、ロシアはアメリカには攻めて来なかったわ。
思い煩いを止めましょう。人間関係の問題もお金の事も、主に祈ってゆだねましょう。主がおられるので、必要のすべては必ず満たされます。
→あなたの番です
□思い煩いを止め、感謝して神に祈る
□経済的なことについて神を信頼し、与える人となる