全米一の教師として表彰されたロン・クラーク先生は、生徒たちに色々なルールを教え育てました。その一つに、誰かがほめられたら拍手して励ますというルールがありました。ですから、クラスには、手をたたく真似だけする生徒は一人もいません。生徒たちは、短くても3秒間熱心に拍手して、ほめられた生徒に賛辞を送ります。
詩篇47篇は、全地の王である主に盛大な拍手をして主をたたえる詩篇です。
1、王を喜び迎える
第2列王記を読むと、ヨアシュが7歳で王になったことが分かります。実は、ヨアシュが赤ちゃんのとき、政敵により家族全員が殺され、一人だけ助け出されて6年間かくまわれてきたのです。それで、列席した人々は万感の思いを込めて拍手し、幼い王を力の限りたたえました。
こうしてエホヤダは、王の子を連れ出し、彼に王冠をかぶらせ、さとしの書を渡した。彼らは彼を王と宣言した。そして、彼に油をそそぎ、手をたたいて、「王さま。ばんざい」と叫んだ。(第2列王記11:12)
詩篇47篇を読むと、そうした戴冠式の様子が目に浮かぶようです。主イエス・キリストが世界の王として王冠を受ける時が来るならば、世界のあらゆる民族が、力いっぱい拍手し、喜びの歓声を上げることでしょう。ヘンデルのメサイヤのハレルヤコーラスで歌われるように、主イエスこそ全地を治める王の王、主の主と歌うでしょう。
すべての国々の民よ。手をたたけ。喜びの声をあげて神に叫べ。
まことに、いと高き方主は、恐れられる方。全地の大いなる王。
国々の民を私たちのもとに、国民を私たちの足もとに従わせる。(詩篇47:1~3)
ほめ歌を歌え」というフレーズが5回も繰り返され、世界の人々に対して、王である神に賛美の歌をささげるようにと呼びかけます。
神は喜びの叫びの中を、主は角笛の音の中を、上って行かれた。
神にほめ歌を歌え。ほめ歌を歌え。われらの王にほめ歌を歌え。ほめ歌を歌え。
まことに神は全地の王。巧みな歌でほめ歌を歌え。
神は国々を統べ治めておられる。神はその聖なる王座に着いておられる。
国々の民の尊き者たちは、アブラハムの神の民として集められた。
まことに、地の盾は神のもの。神は大いにあがめられる方。(5~10節)
主イエスは全世界の王であり、栄光を受けるにふさわしい唯一の方です。私たち人間がすべきことは、主イエスにほめ歌を歌うことです。
ところで、神をたたえようと思っても、言葉がうまく出てこない人がいます。それは、普段の思考回路がネガティブになっているせいです。家族や友人と食事するとき、誰かを責める、否定することが多い人は、神をたたえる言葉を見つけにくいのです。もっと、もっと、身近な人をほめて下さい。そして、日々、神をたたえる言葉を見つけて下さい。
人のおもな生きる目的は何かという、ウエストミンスター小教理問答の第一門の答えは、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶというものです。体を動かせない日が来ても、神を喜ぶことは一生涯続けられます。拍手して、喜び叫び、歌で主をたたえ、神のすばらしさをたたえ続けましょう。
最近、古い車を買いました。車の所有証明書がDMVから送られて来て、 ほっとしましたが、一番上の右に赤枠に「サルベージ」と書かれてありました。事故車と知って買いました。その赤枠を見ていたら、まるで自分のことのように感じました。私も神の目から見れば事故車です。主イエスによって救われ、修理され、今また走れるようになりました。見捨てない主、共におられる主を思うと、主をたたえたくなりました。主はすばらしいお方です。ハレルヤ!
2、神が選ぶ
主は、私たちのためにお選びになる。私たちの受け継ぐ地を。
主の愛するヤコブの誉れを。(4節)
神はユダヤ人の祖先アブラハムを召されました。アブラハムの子孫が世界に仕える神の民になるようにと神は願われました。それで神はパレスチナの地を選んで、ユダヤ人をそこに住まわせました。神がユダヤ人の住む場所を選ばれたのです。
私たちにこれを適用するとどうなりますか。神が、私やあなたのために特別に選んだ土地があるということです。それは何を意味するでしょう。家族、顔や体形、性格、生まれ育った環境などは、私たちが自分で選べません。神が選んで私たちに下さったものです。ユダヤ人は、神の選ばれた土地に住むことで神の栄光を表すことができました。神は、何をあなたに選んでくれたのでしょう。
ニック・ブイチチさん(Nicholas James "Nick" Vujicic、1982年生まれ)については何度か礼拝で触れてきました。ニックは、先天性四肢欠損症としてオーストラリアで生まれました。ニックにとって神に選ばれた土地とは、両手が肩からなく、左足の2本の指が胴体から出ているという体でした。苦しみもがいて成長しながら、クリスチャンの両親に励まされ、ニックもクリスチャンになり、今は結婚しカリフォルニアに住み二児の父となり、伝道者として世界各地で活動しています。
彼がまだ若い頃、アナハイムのノット・アベニュー・キリスト教会の礼拝で話したことがありました。その時、自分と同じ姿をした1歳7ヶ月のダニエル君と会いました。ひとときの間、ニックは子供時代の自分に戻った錯覚に襲われ苦しい気持ちに襲われました。しばらくして心が落ち着きました。自分と同じ境遇の人は昔は一人もいなかったけど、私が彼を応援できるし、私の両親もあの両親を助けることができる。手足の無い人生は大変だけど、与えられた環境を感謝して生きるなら、世界に貢献できる。人と比較する人生でなく、神から与えられた人生を感謝し、使命に生きるなら生きがいが見いだせる。だから、ダニエル君との出会いはニックに存在意義を強く意識させるものとなりました。
あなたのための土地を選んで下さった神にほめ歌をうたいましょう。
主は、私たちのためにお選びになる。私たちの受け継ぐ地を。
主の愛するヤコブの誉れを。(4節)
→あなたの番です
□手をたたき、神をほめ歌おう
□神が選んで下さった土地を感謝する