誠実さを疑われた。そんな時、どうしたらいいのだろう。
1、正しい訴え
「主よ。聞いてください、正しい訴えを。耳に留めてください、
私の叫びを。耳に入れてください、欺きのくちびるからでない私の祈りを。(1節)
私は潔白だ、とダビデは叫びました。
誠実に生きることは容易ではありません。努力、自制、忍耐などを必要とする正しい生き方を一夜で身につけることは不可能です。誠実に生きる人にとって最大の苦痛は、ダーティーなレッテルを貼られることです。
ですから、ダビデは辛かったのです。
夜になってもダビデの苛立ちは消えません。自分の言葉や行動を神の前で点検しても、ダビデは汚点を見つけることができないほど、誠実でした。(3~5節)
2、ひとみのように守ってください
ダビデは袋小路に入ってしまいました。出口がない時の解決策は、覆ってもらうことです。
「私を、ひとみのように見守り、
御翼の陰に私をかくまってください。」(8節)
ダビデは、神の守りを最後のよりどころとしました。雛が雌鳥の羽の下で守られるように、神の翼の下で保護を求めました。
体で一番弱い部分は目です。危険物が飛んできたら、私たちは本能的に目をつぶったり、覆ったりして目を守ります。ダビデの祈りは、ひとみのように私を守ってくださいというものでした。
C・S・ルイスが愛妻を失ったとき、自著『悲しみを見つめて』で以下のような内容を書きとめました。
悲しみが恐れに似ていることを誰も私に教えてくれなかった。誰の言葉も興ざめだ。けれども、誰かが私のそばにいてほしい。何も言わずに、ただそばにいてほしい。
論理的で知的なことで知られたルイスはケンブリッジ大学の教授でしたが、人のぬくもりが必要な時があると切々と語りました。
神の翼で覆ってほしいと願ったダビデの祈りに、似ていると思いませんか。
誠実さが汚されたとき、多くの場合、自分の正しさを主張すればするほど、逆効果になります。道が残っています。神の翼に包まれることです。そこで、平安と守りと愛を経験することができ、人生の荒野を歩き出す力をもらえるのです。
3、神の御姿に満ち足りる
ダビデは、自分の敵がどんなに邪悪で執拗で凶暴か説明しました。(9~14節)
その後、突然、大きな飛躍点に達します。その鍵は、朝にあります。
問題そのものや敵に焦点を当てていると袋小路に陥ります。神ご自身を見上げるなら、まったく別の視界が開けます。
「しかし、私は、正しい訴えで、御顔を仰ぎ見、
目ざめるとき、あなたの御姿に満ち足りるでしょう。」(15節)
苦悩の夜が希望の朝に変わります。
ラジオ体操の歌は多くの日本人が歌えます。♪新しい朝が来た、希望の朝だ、喜びに胸を開け、大空あおげ~。夏休みの朝、眠い目をこすって広場や校庭で歌った歌を何十年も忘れません。この歌には、さわやかさと希望が込められています。
ダビデは、ラジオ体操ではなく、主を礼拝することが満ち足りる心の秘訣だと述べました。
聖書学者の多くが、死後の復活の希望を述べたものと15節を説明します。確かに復活と主にお会いする希望を語っていますが、それだけではないと私には思えます。普段の生活でも、朝、主を見上げることが袋小路の活路を開くきっかけになります。
目ざめるとき、あなたの御姿に満ち足りるでしょう。
誠実さを疑われた時の打開策は、朝、主を礼拝することです。まことの神の臨在に触れるとき、人の評判など取るに足らないと思えます。神からの評判こそが大事だと気づきます。
そうなると、人は強くなり、柔軟になり、人を恐れなくなります。握り締めたこぶしを開いて主を礼拝する人になりましょう。
ある女性伝道師の電話が鳴った。2年間音信普通だった知人からだ。彼女の夫が別な男のもとに走ったという。「すぐに来なさい」と伝え、久しぶりに会った知人の変容に驚いた。
洋服はみすぼらしく、以前より太り、髪に櫛を入れた形跡がなかった。彼女の話を聞いた後、女性伝道師はこうアドバイスした。一緒に歌いましょう。Jesus loves me! This I know, for the Bible tells me so. Little ones to Him belong. They are weak, but He is strong.有名な賛美歌だった。その女性は歌いながら泣き始めた。大嫌いな自分を、そのまま愛してくれる主イエスの愛に気づいた。これが主を礼拝したした瞬間とも言える。やがて彼女は生活を変え、自分を大切にし、後に夫を取り戻したとの連絡が女性伝道師に届いた。
主イエスは、復活した後、ガリラヤ湖で弟子たちとお会いになった。その朝、弟子たちにこう言われた。
「さあ来て、朝の食事をしなさい」(ヨハネ21:12)
主イエスが準備してくださった、あなたのための特別メニューの朝食で元気をつけてください。今週、あなたの朝を大切にしてください。
→あなたの番です
□神に、あなたの誠実さが汚されたと訴えましょう
□神の翼の陰にかくまっていただこう
□朝、まず、主を礼拝しよう