なぜ羊飼いだったのでしょう。
1、あなたがたのため
さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。(ルカ2:8~11)
社会をピラミッドで表すなら、羊飼いたちは三角形の底辺にいた人々でした。羊飼いは3つのマイナスを背負っていました。貧しい。きつい。見下げられている。
羊飼いから連想されるのは、のどかな仕事というイメージですが実態は逆です。羊飼いをしていたヤコブは、「昼は暑さに、夜は寒さに悩まされて、眠ることもできない有様でした」(創世記31:40)と述べるほと過酷な労働でした。律法に無知で戒律を守れない人々を律法学者は「アム・ハ・アレツ」(地の民)と呼び軽蔑しました。その仕事の特殊性ゆえに宗教的戒律を守れなかった羊飼いも軽く見られていました。
御使いの言葉に注目して下さい。「あなたがた」という言葉が繰り返されています。
「あなたがたのために、救い主がお生まれになりました」
「あなたがたは……見つけます」
「あなたがたのためのしるしです」
羊飼いの毎日は、働いても働いても苦しく、貧しさから脱出できず、見下げられて惨めな思いをしていました。でも、救い主の誕生は最初に羊飼いに知らされました。
私もあなたも、羊飼いに似ているかもしれません。貧しい。苦しい。見下げられている。社会の底辺で希望を失っている人のために、救い主は生まれてきたのです。
2、あなたがたのしるし
あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現われて、神を賛美して言った。「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」(ルカ2:12~14)
ベツレヘムの町には赤ちゃんが何人もいたでしょう。どの赤ちゃんが救い主なのか、天使は見分けるための目印を教えてくれました。飼葉おけに寝ている子だというのです。
どんなに貧しい家の赤ちゃんでも家畜の餌箱に寝かせることはありません。だからこそ、目印になったのです。羊飼いは、この印を聞いて驚いたでしょう。俺たちよりも貧しく生まれた赤ちゃんだ。まさに俺たちのための救い主だ。
天使の軍勢が突然夜空に現れて神を賛美し、栄光と平和を歌ってくれました。聖書の中でも、これほど大勢の天使が歌ったという記録はありません。
私はミュージカル映画が好きですが、この場面は人類史上初のリアルミュージカルとなりました。軍勢とは天使によって構成された軍隊を意味します。兵士が望むことは、平和です。救い主イエスさまが生まれたことで、神の栄光がより一層あらわされたのです。主イエスの誕生をきっかけに地上に真の平和が始まったのです。
3、あなたがたが……見つける
御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て来よう。」そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせた。それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。しかしマリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。(ルカ2:15~20)
「さあ、ベツレヘムに行って……見て来よう」羊飼いたちは行動しました。
羊飼いたちはベツレヘムに行き、赤ちゃんを捜し歩きました。そしてついに見つけたのです。羊飼いは、ヨセフとマリヤに野原で起きた事柄を残らず話しました。マリヤもヨセフも、そこにいた人たちも、その話に驚き、マリヤは心に留めて思いを深めていました。
羊飼いは、この赤ちゃんが救い主になってくれるのだとじっと見つめ、感激したことでしょう。帰り道、羊飼いたちは、天使の言った通りだったので神をあがめて、自分たちが歌い出しました。こんなふうに歌ったかもしれません。天使が歌ったメロディーを覚えていて、それを繰り返したかもしれませんね。
メリークリスマス。救い主イエスさまがお生まれになりました。
クリスマスに最もふさわしい応答は、救い主に会いに行き、心に受け入れ、神を賛美することです。主イエスが救い主であると、歌いましょう
→あなたの番です
□主イエスは、底辺にいる人のために生まれて下さった
□主イエスを見に行く、受け入れる、賛美する