締め出された救い主 ルカ2:4~7

 世の中で行われているクリスマスとかけて、ドーナツととく。そのこころは、中心がない。そうです、中心にあるはずの主イエスさまがないのです。

 ルカの1章を読んで下さい。驚くべきことに、主イエスは、クリスマスの日に締め出されていたのです。
 「宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。」(ルカ2:7)
 神である方が、無視された。人々の罪を赦すために来られた方が拒絶された。「この方は、ご自分のくにに来られたのにご自分の民は受け入れなかった。」(ヨハネ1:11)
 けれども、世界にたった二つの場所だけが、主イエスを受け入れたのです。それは、ヨセフとマリヤの心です。この二人がいたので、クリスマスが成立したのです。マリヤとヨセフの心をそれぞれルカとマタイの箇所から確認しましょう。二人の心にはある種の共通項があることに後で気づくことでしょう。


1、マリヤ    ルカ1:30〜38

 天使はマリヤに、赤ちゃんがあなたから生まれるる、その男の子は「神の子」と呼ばれると知らされびっくりします。マリヤの心に浮かんだ心配事を箇条書きにすれば以下のことでしょう。

・妊娠することへの不安
・大切な婚約者を失う危険
・死刑の恐怖
・将来の生活へのとまどい

 最後に御使いは、「神にとって不可能なことは一つもありません。」(ルカ1:37)と語りました。マリヤは、天使の言葉を神の言葉として受け入れました。
「どうぞ、あなたのおことばどおりにこの身になりますように。」(ルカ1:38)マリヤは自分をささげ、神に用いていただく決意をしました。
 不可能はないという約束の中に、婚約者との幸せな結婚を織り込んで信じたのかもしれません。

 神の言葉を受け入れる、勇気を出す、神の言葉を実行するという3つの要素がマリヤの心にありました。


2、ヨセフ    マタイ1:18〜25

 ヨセフは、人間として思慮深く、男として優しかった。ある意味では理想的な男性ですが、マリヤの言葉だけは信じきれません。マリヤは妊娠の事実をヨセフに伝え、天使の言葉も教えたのでしょう。熟慮した上のヨセフの結論は、そっとマリヤを離縁して、さらし者にしないようにとの配慮でした。これが、ヨセフの愛と結論です。人間にできる最善の行動なので、誰もヨセフを責められません。

 そんな時、天使は夢の中でヨセフに明瞭に語りました。「ダビデの子、ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊によるのです。マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」(マタイ1:20~21)
 これでヨセフは、すべての事に納得ができたのです。御使いを通して語られた神の言葉をそのまま受け入れました。将来襲い掛かるであろう、心配や苦難に立ち向かう勇気を持ちました。そして、実行したのです。

 「ヨセフは眠りからさめ、主の使いに命じられたとおりにして、その妻を迎え入れ、………」(マタイ1:24)


3、マリヤとヨセフの共通点

 ルカの福音書1章では、ヨセフとマリヤが宿屋には入れなかった場面が描かれていますが、これは、二人が苦悩した日々に比べればささいな問題だったと思われませう。
 すでに村ではマリヤのお腹のことで一方的な噂もささやかれていたでしょう。ヨセフも白い目で見られていたかもしれません。でも、二人には共通した喜びと目標がありました。救い主を生み、育てるということです。住民登録のためベツレヘムに行くことが決まっても、神の守りを信頼していたことでしょう。この二人の心の中にはすでにクリスマスが来ていたのです。

 マリヤとヨセフの心に共通していた3点をまとめます。
  1、神の言葉を受け入れる
  2、勇気を持つ
  3、自分を神にささげる

 聖書を心の書物と考えて、日常生活には縁遠いものと考える人がいます。それは、間違いです。聖書ほど実用的な本はありません。
 たとえば、『あなたを美しくする101の方法』という本を買ってきたら、あなたは、「すてきだわ」と喜んで、すぐに本棚にしまいますか。いいえ、そこに書いてあるすべての方法を自分に当てはめてやってみるはずです。
 男性だって、『あなたの税金支払いを半分にする秘訣』という本を買ったなら、「読んで感動したよ」と涙を流して、床に置くでしょうか。税金ソフトのTurbo Taxを使って実行し、「やった、1000ドル安くなった」と喜ぶはずです。聖書も、同じように読むべき本です。

 さあ、あなたの番です。
毎朝読む聖書から、神の言葉を心に受け止めましょう。主イエスがあなたと共におられるのですから、勇気を出しましょう。そして、実際にやってみましょう。

 ある教会で子供たちが降誕劇をしました。ヨセフとマリヤが宿屋を訪ねるシーンになりました。「今晩泊まれますか」「部屋は一杯だよ。ほかに行ってくれ」と宿屋の主人になった子供が順番に答えました。最後は、知恵遅れの男の子の番でした。一生懸命覚えた台詞を観客の前で立派に言えました。「部屋は一杯です。泊まれません。」その子の親は胸をなでおろしました。マリヤとヨセフがとぼとぼと歩く後ろ姿を見て、その子は思わず叫んでしまいました。「マリヤさん、ヨセフさん、イエスさま、僕の部屋なら空いてます。僕の部屋に泊まってください」

 主イエスをあなたの心の真ん中に受け入れましょう。あなたの人生の中心にいてもらいましょう。ドーナツじゃなくて、アンドーナツになりましょう。
 神の言葉を信じましょう。神に不可能はない。
困難に立ち向かう心を持とう。勇気を持とう。主イエスが共におられる。
乏しい自分でも、弱い自分で、神にささげよう。用いていただこう。思い切って聖書の言葉を実行しよう。