クリスマスの意味  マタイ1:18~25

 ラジオのスイッチを入れると、クリスマスは一年で最も素晴らしい時、と英語のスタンダードナンバーが聞こえてきます。
 なぜ、クリスマスは素晴らしいのでしょうか。今日は、クリスマスの意味を考えてみましょう。


1、クリスマスは、救い主の誕生

 日本のクリスマスは恋人たちのビッグイベントの代名詞になりました。アメリカでは家族のリユニオンの時です。

 本当のクリスマスの意味を一言でいいましょう。私たちを罪から救う<救い主>が生まれた、これがクリスマスの意味です。

 マタイの福音書をしばらく読んでみましょう。

 イエス・キリストの誕生は次のようであった。その母マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだいっしょにならないうちに、聖霊によって身重になったことがわかった。夫のヨセフは正しい人であって、彼女をさらし者にはしたくなかったので、内密に去らせようと決めた。
 彼がこのことを思い巡らしていたとき、主の使いが夢に現われて言った。「ダビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊によるのです。マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」
(マタイ1:18~21)

 聖書は道徳の本としては素晴らしいが、奇跡があるから信じられないという人が多いです。2000年前のユダヤ人ヨセフも現代人と同じ感覚を持っていました。自分に見覚えのないマリヤの妊娠をどう考えたらいいのか。婚約者のマリヤが妊娠したと知らされ、悩み苦しんだのです。

 神が本当におられたなら、と私と一緒に考えてください。時間と場所の制限を受けない神がいて、天と地のすべてと人間を造られた神がいたとしたらどうでしょう。宇宙の法則を定め、人間の体とDNAのすべてをつかさどり、物質の最小単位の原子、素粒子などのすべてを考案された方がいたらどうでしょう。その全能の神が、ある時、ご自分の造られた法則を一時的に変更することは不可能でしょうか。いいえ、可能です。奇跡は、全能の神を前提とすれば論理的にうなずけることなのです。

 マリヤは、天使ガブリエルとの出会いを詳細にヨセフに語ったことでしょう。ルカ1:26~38に詳しく書かれています。
 ヨセフは、マリヤを愛していました。けれども、常識と理性もあったので、マリヤの言うことは受け入れられません。それで、内密に婚約破棄し、スキャンダルの的にさせないようにと配慮しました。ヨセフができる精一杯の思いやりが表れています。

 処女降誕。ありえないことが起きたのです。けれども、救い主の誕生には、ありえない事がどうしても必要だったのです。
 人の罪を身代わりに背負うためには、救い主が罪があっては身代わりになりえません。普通の人間と同じように生まれて来たなら、それはただの人に過ぎません。聖霊によって誕生した方なので、罪人の身代わりになれるのです。
 また、この特別な誕生方法は預言者イザヤによって預言されていました。つまり、アクシデントではなく、予定通りなのです。イザヤ7:14「見よ。処女がみごもっている。そして、男の子を産み、その名を『インマヌエル』と名づける。」(参照:マタイ1:22~23)

 神のひとり子が、神の栄光をかなぐり捨て、人間の姿をとって生まれてくださいました。当時ですら、家畜のえさ箱に寝かされる赤ちゃんなどいませんでした。貧しさの極みの夫婦のもとに生まれてくださいました。
 主イエスは、人として人生を送り、私たちが経験する悩みや悲しみや苦痛をすべて味わってくださいました。このようにして、私たちの救い主は来てくださったのです。その最後には、私たちの罪を背負って十字架で死ぬという最後が待っていました。

 ヨセフが悩んでいると、主の使いが夢に現れ、マリヤの言葉の正当性を教えてくれました。ヨセフは、これで吹っ切れました。離縁をやめました。ヨセフは男だな、と私は思います。

 ヨセフのこの決断によって、主イエスはヨセフの家系と認められました。(マタイ1:16)それゆえに、主イエスは旧約聖書が預言したとおり、ダビデの子として生まれたのです。



2、救い主を心に受け入れよう

 クリスマスが救い主の誕生であると分かっても、それだけではもったいない。主イエスは、いわば神からあなたに贈られた最高のプレゼントです。そのプレゼントの箱を空けずに横に置いていたら何にもなりません。受け取ることによって初めてその人のものになります。主イエスを心に受け入れ、信じましょう。それが、神のプレゼントを受け入れることです。

 フランシス・コリンズという人は、エール大学で物理化学の博士を取得、ノースカロナイナ大学の医学博士にもなった秀才です。
 インターンの時、お年寄りのクリスチャンから質問され、それが心に重く響きました。「あなたは何を信じているのですか」治療不可能な重度の狭心症で日々耐え難い痛みと戦っていたその患者は神を信じて平安を持っていました。
 フランシスは意図的に神に背を向けてきました。けれども、背中を押されるようにして、様々な宗教の本を読みましたが混迷は深まりました。近くにあったメソジスト教会の牧師に質問にいったおり、C・S・ルイスの「キリスト教の精髄」を紹介され、読んでみました。自分の持っていたひとつひとつの疑問がわずかな言葉で的確に説明されているのを見て驚きました。それに触発され、クリスチャンになりました。
 フランシスは、後にヒトゲノム計画の責任者となるなど、遺伝子分野の有数な学者として知られるようになり、テレビのインタビューに登場し、はっきりと自分の信仰を語っています。主イエスは、私の救い主だと公言しています。

 聖書は、主イエスが救い主であることをあなたに伝え、あなたが信じて本当の命を受けられるようにと書かれたものなのです。

 「しかし、これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によっていのちを得るためである。」(ヨハネ20:31)

 あなたが、プレゼントの包みを開くときが来ました。
主イエスをあなたの救い主として信じましょう。そのとき、本当のクリスマスの喜びがあなたに届きます。

 クリスチャンのあなたにも最後に一言。堂々と主イエスが救い主であると人々に伝えましょう。