創世記35:1~12 ベテルに上ろう

 ヤコブの生涯シリーズの最終回になります。今日のキーワードは、ベテルに上る、です。

1、頭をかかえたヤコブ

 ヤコブは、人生最大の難関であった兄エサウとの和解を終えてほっとしたところでした。その後、ヨルダン川西部のシェケムに一家で住みつき、近隣のヒビ人との付き合いも始まったようです。
 祭りでもあったのあったのでしょうか、ヤコブの娘ディナは女性友達を訪ねにヒビ人の町に出かけました。ところが、ディナはその町の男に捕らえられレイプされてしまいます。(創世記34:1~2)
 ディナの直接の兄であるシメオンとレビは加害者の男を含む集落に住む男性全員を惨殺しました。(創世記34:25~31)

 ヤコブは頭を抱えました。娘は涙に暮れ、ショック状態です。息子たちは、父の不甲斐なさを怒り、憎しみの化身となりました。
ヤコブにはトラブルの原因が分かりません。これからどう生きたらいいのか分かりません。

 あなたは、ヤコブのように何かのトラブルに巻き込まれていませんか。子供の問題、親の問題、会社の問題、金銭の問題、人間関係の問題。

 主がどのように問題の糸をほぐしてくださるのか、今日の聖書箇所を大きな枠組みを手がかりに見つめてみましょう。



2、鍵を握るのはヤコブ

 「神はヤコブに仰せられた。」(創世記35:1)

 神は、ディナに何も言われません。問題の発端は彼女の行動にありました。神は、シメオンとレビにも注意をされません。どうみても過剰報復です。
 その代わりに、神は父親のヤコブに語られました。

 これが神の方法です。

 あなたが抱えている問題の種類によっては一概に言えませんが、あなたが問題解決の鍵を握っていることがあります。ヤコブの場合がそうでした。

 あなたの番です。解決の鍵を握るあなたに、神は語りかけていませんか。


3、ベテルとは何か

 「立ってベテルに上り、そこに住みなさい。そしてそこに、あなたが兄エサウからのがれていたとき、あなたに現われた神のために祭壇を築きなさい。」(創世記35:1)

 神の助言はベテルに上ることでした。ベテルとはどんな場所か、創世記28:10~19に詳しく書かれてあります。20年以上前にヤコブが兄から逃げ出し旅先で神と出会った場所、それが、ベテルです。
 ベテルは、ヤコブがこの時住んでいたシェケムから南に直線距離で約30キロの地点にあり、シェケムより標高が高い場所にあります。

 ベテルは、ヤコブの信仰の原点です。神が生きておられると初めて体感した場所。心に届く励ましを神から受けた場所です。

 あなたがトラブルに巻き込まれたときは個別のトラブルに具体的に対処する必要がありますが、何よりも、あなたの信仰の姿勢を正すことが大切です。
 信仰の基本姿勢がずれていないか。生ぬるくなっていないか。傲慢ではないか。自己正当化に走っていないか。
 神は、ベテルに戻ることだけでなく、そこに住むように命じました。それは、信仰の原点に戻り、その状態を維持するようにとの教えでしょう。

 あなたの信仰の原点とは何でしょう。

4、ベテルに上ろう

 ヤコブは、息子や娘、使用人の前で自分の信仰の核心を語りました。

 「私はそこで、私の苦難の日に私に答え、私の歩いた道に、いつも私とともにおられた神に祭壇を築こう。」(創世記35:2)

 神は苦しみの時に神は私を見捨てなかった。主は私からかたときも離れなかった。その方を一番身近に感じたベテルに共に行こう。
 ヤコブのように、息子や娘に信仰のあかしを話せる父親は立派です。そういう父親が信仰のリーダーシップを家庭で発揮できる父親です。

 ヤコブは娘や息子たちを連れて、ベテルに移動し、祭壇を築き、神を礼拝しました。(創世記35:2~7)

 あなたの周囲で起きたトラブルの解決方法は、遠回りに見えても、あなた自身が信仰の原点に戻ることです。


 あなたの番です。
  □あなたの信仰の原点はどこにありますか。
  □信仰の原点に戻るため、具体的なアクションをしましょう。