ルカ10:38~42 神さま、大好き

 羅針盤シリーズの第2回目。今日は、神への愛、という基本姿勢について考えましょう。
 信仰の基本姿勢を持っていることはとても大事だと前回お話しました。心に確かな羅針盤のある人は、仕事も、家庭も、教会での奉仕も、一本筋が通っています。

1、第1の戒めとしての、神への愛

 信仰の基本姿勢を因数分解すると4つぐらいの要素があると私は考えています。その第一が、神への愛です。なぜ、第一かというと、主イエスがそう言われたからです。

 そこで、イエスは彼に言われた。「『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』これがたいせつな第一の戒めです。(マタイ22:37~38)

 神への愛は申命記6:5など旧約聖書でも一貫して主張されている大事な命令です。

 神を、偉大な神として、畏敬の念を持っている人は多いです。でも、主イエスは、神を尊敬しなさいと命じませんでした。愛しなさいと言われたのです。何か、新鮮な感じがします。

 ここで、あなたに質問です、あなたは神さまを愛していますか。


2、マルタの祈り?

 エルサレムに近い村ベタニヤに、マルタとマリヤの姉妹が住んでいました。主イエスが、弟子たちとマリヤの家を訪れたときの様子がルカ10:38~42に書いてあります。
 マルタは、もてなしのために忙しく、カリカリしていました。

 ところが、マルタは、いろいろともてなしのために気が落ち着かず、みもとに来て言った。「主よ。妹が私だけにおもてなしをさせているのを、何ともお思いにならないのでしょうか。私の手伝いをするように、妹におっしゃってください。」(ルカ10:40)

 マルタが主イエスのそばに来たのは、文句を言うためでした。妹を働かせるように命じるように主イエスに催促しました。
祈りの言葉が、文句や不平ばかりになる祈り。気に入らない人の態度をインスタントに変えてほしい時の祈り。こういう祈りを「マルタの祈り」と呼んでもいいかもしれません。

 主は答えて言われた。「マルタ、マルタ。あなたは、いろいろなことを心配して、気を使っています。しかし、どうしても必要なことはわずかです。いや、一つだけです。マリヤはその良いほうを選んだのです。彼女からそれを取り上げてはいけません。」(ルカ10:41~42)

 たとえば、あなたが女性で、アメリカ人と結婚した人だとします。年の離れた妹がやはりアメリカ人と結婚してシアトルに行くという時に、あなたが実家を訪れたとします。妹と話せるのは1日だけです。妹は、台所を出たり入ったりして食事の準備をし、姉の大好物の明太子がないとスーパーに買い物に行ってなかなか帰ってこないとします。そんなとき、あなたはどう思うでしょう。主イエスは、私たちに一番大事なことを話したいと願っておられます。

 マルタは主イエスのために忙しく働いていましたが、主イエスを愛していたと言えるでしょうか。


3、マリヤの姿勢

 マリヤの姿に目を向けましょう。

 彼女にマリヤという妹がいたが、主の足もとにすわって、みことばに聞き入っていた。(ルカ10:39)

 とても美しい姿です。39節を、4つの要素に分けて考えましょう。

1)そばにいる
 主の足もとに座っています。マリヤは、一番そばに座り込んでいます。そばにいることは愛です。
では、私たちの実際生活で、主イエスのそばにいるとはどんなことでしょう。礼拝に行くとか、賛美するなどが、そうかもしれません。

2)何もしない
 マリヤはただ座っています。自分のしたい事をすべてキャンセルし、停止しています。あなたのために、全部スケジュールは空けてあります、という姿勢です。
 私たちに適用するとどうなりますか。安息日という概念は、まさにそれに当たりますね。

3)耳を傾ける
 マリヤは主イエスの言葉を聞きたいのです。主イエスは、大切な事を教えてくれます。私たちに必要な事を語ってくださいます。今、知るべき知恵を話してくれます。聞くことは愛です。
 耳を傾けることは、聖書を読むこと、聖句を暗記する、祈りの中で神の言葉を思い巡らすことなどが、それに当たるでしょう。

4)聞いて実行する
 主イエスの言葉を聞くのは、主イエスの望むことを理解して、自分がそれを実行したいからです。ヨハネ12章1~3節によると、主イエスの死を理解して高価な香油を注いだのは、このマリヤだと指摘しています。マリヤは聞くだけの人ではなかったのです。
 私たちへの適用は、まさに、主イエスの心を知って、それを行うことです。

 主イエスと共にいることが嬉しい、主イエスのためだけの時間を取る、主イエスの言葉に耳を傾ける、主イエスのメッセージを実行する。これらは、神を愛すということの実例です。

 あなたは、どんなアクションを選んで、神を愛していることを伝えますか。
 神を愛すという基本姿勢が、あなたを罪から守り、あなたに勇気を与え、あなたの人生を輝かしいものにしてくれます。

 →あなたの番です
 □あなたは、神さまが大好きですか
 □神を愛す行動を、今週実行しましょう