ヨシュア記14:1~15  カレブ、85歳


 ヨルダン川東側の分割は完了し、西側部分に関してはくじ引きで公平に割り当てていました。(ヨシュア記14:1~5)そこには、9部族とマナセの半部族の族長らが集まり、ヨシュアと大祭司エルアザルが立ち会っていました。
そこにユダ族のカレブがやって来て、くじ引きによらず、ヘブロンを割り当ててほしいと願い出ました。なぜカレブはそう言ったのでしょう。なぜ、特例が認められたのでしょう。今日のテーマは、カレブの信仰です。


1、従い通す信仰とは

ときに、ユダ族がギルガルでヨシュアのところに近づいて来た。そして、ケナズ人エフネの子カレブが、ヨシュアに言った。「主がカデシュ・バルネアで、私とあなたについて、神の人モーセに話されたことを、あなたはご存じのはずです。主のしもべモーセがこの地を偵察するために、私をカデシュ・バルネアから遣わしたとき、私は四十歳でした。そのとき、私は自分の心の中にあるとおりを彼に報告しました。私といっしょに上って行った私の身内の者たちは、民の心をくじいたのですが、私は私の神、主に従い通しました。そこでその日、モーセは誓って、『あなたの足が踏み行く地は、必ず永久に、あなたとあなたの子孫の相続地となる。あなたが、私の神、主に従い通したからである。』と言いました。(ヨシュア記14:6~9)

 カレブの特徴は、主に従い通す信仰です。「主に従い通しました」(8節)、「主に従い通したからである」(9節)「彼がイスラエルの神、主に従い通したからである」(13節)

 民数記13章によると、カレブは40歳の時、約束の地を偵察する12人の1人に選ばれて遣わされました。斥候たちはモーセに結果を報告し、10人は否定的意見を述べ、ヨシュアとカレブだけは肯定的に報告しました。想定外の困難な状況を聞いた人々は混乱し、泣き叫びました。

 そのとき、カレブがモーセの前で、民を静めて言った。「私たちはぜひとも、上って行って、そこを占領しおう。必ずそれができるから。」(民数記13:30)

従い通すとはどんな事でしょう。強敵が目の前に立ちはだかっても、神の約束があるので、きっと征服できると信じる事です。たとえ、仲間の大多数が不信仰に陥り、自分が少数派になっても、決して信仰の妥協をしない姿勢です。10年、20年、40年と約束が実現しなくても、約束の実現を忍耐して待てる心です。

 不信仰に陥ったイスラエルの民は荒野で無為な40年間を過ごし、最終的には全員が滅びました。約束の地に入れたのはヨシュアとカレブだけでした。

 あなたに、お聞きします。
 神の約束があるが実現していないとします。カレブならどう考えますか。
 目の前に大きな困難が立ちはだかりました。カレブならどうしますか。
 大多数がもうだめだと言っています。カレブなら何と言うでしょう。
 ずいぶん時間がたって実現不可能という雰囲気です。カレブならどうしますか。
 
従い通すとは、神を信頼し、困難に動じず、多数派に飲み込まれず、長い年月を待てる信仰です。カレブの信仰、従い通す信仰、これを私の信仰として定着させたいですね。

 神には約束されたことを成就する力があることを堅く信じました。(ローマ4:21)


2、山地を与えてください

今、ご覧のとおり、主がこのことばをモーセに告げられた時からこのかた、イスラエルが荒野を歩いた四十五年間、主は約束されたとおりに、私を生きながらえさせてくださいました。今や私は、きょうでもう八十五歳になります。しかも、モーセが私を遣わした日のように、今も壮健です。私の今の力は、あの時の力と同様、戦争にも、また日常の出入りにも耐えるのです。どうか今、主があの日に約束されたこの山地を私に与えてください。あの日、あなたが聞いたように、そこにはアナク人がおり、城壁のある大きな町々があったのです。主が私とともにいてくだされば、主が約束されたように、私は彼らを追い払うことができましょう。」(ヨシュア14:10~12)

カレブは85歳で元気です。壮健です。まだ、戦えます。なぜ、彼はこれほど元気なのでしょう。神の約束が実現する日に備えて、鍛錬を欠かさず、セルフコントロールを心がけたのだろうと私は思います。
「主は約束されたとおりに、私を生きながらえさせてくださいました」(10節)とあるように、5歳で生かされている事自体が、神の真実さのあかしだとカレブは理解しています。生かされている事は、神の使命実現のため神が期待しているという意味です。

カレブが特権的に求めた相続地とはどこでしょう。普通は、緑多く、水豊かで、平坦で、平和な土地を望むでしょう。
ところが、カレブは、平地ではなく「山地を与えてください」(12節)と言うのです。45年前、斥候たちが恐れをなした巨人族、ゴリアテの先祖アナク人が住む町、ヘブロンをあえて求めました。カレブは実際、ヘブロンを完全に征服しました。

それでヨシュアは、エフネの子カレブを祝福し、彼にヘブロンを相続地として与えた。それで、ヘブロンは、ケナズ人エフネの子カレブの相続地となった。今日もそうである。それは、彼がイスラエルの神、主に従い通したからである。(13~14節)

困難な課題。強敵。不可能。巨大な山。
これこそ、神を信じる者が武者震いして、立ち向かうべき相手なのです。

“Date your wife” Justin Buzzard2012年)という本は男の自己中心性をあばく強烈な本です。英語もあまり難しくないので、ぜひお読みください。夫たちよ、妻とデイトしなさい。最初のデイトのあの興奮、不安、期待を思い出せ。彼女が喜ぶ顔を夢見て、場所選びや何を食べるかまで計画したはずだ。そこに、愛があったはず。同じことを結婚後も続けよ。その姿勢をキープすれば、妻は笑顔になり、妻は変わる。
この本には、妻に裏切られた夫の話が出てくるが、聖書の原則に気づいた彼が、険しい山のような問題に正面からぶつかり解決する実例が書いてある。創世記で神がアダムに与えた使命、つまり、「そこを耕させ、またそこを守らせた」(創世記2:15)という仕事は、夫が妻に対してなすべき使命であり、その使命をないがしろにしてきた結果だと気づく。そして、みごとに険しい山を登り、すばらしい恵、奇跡が起きたと書いてあります。


険しい山にこそ登ろう。
「どうか今、主があの日に約束されたこの山地を私に与えてください。」(12節)

→あなたの番です。
□あなたもカレブになるように召されています
□あなたが登るべき険しい山地とは何ですか
□山を登り始める一歩とは何ですか。実行しましょう。