王の結婚式  詩篇45:1~17


 詩篇45篇は、王の結婚式を歌っためずらしい詩篇です。
イギリス王室の結婚式は実に豪華です。花婿は赤い礼服、花嫁は純白のドレスで美しさを際立たせます。この詩篇はそんな場面を彷彿とさせます。

1、王の婚礼

 あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたのくちびるからは優しさが流れ出る。
神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。
雄々しい方よ。あなたの剣を腰に帯びよ。あなたの尊厳と威光を。
あなたの威光は、真理と柔和と義のために、勝利のうちに乗り進め。
あなたの右の手は、恐ろしいことをあなたに教えよ。
あなたの矢は鋭い。国々の民はあなたのもとに倒れ、王の敵は気を失う。
神よ。あなたの王座は世々限りなく、あなたの王国の杖は公正の杖。(詩篇45:2~6)
 
前半部分である1節から9節は、花婿である王に対する賛辞です。
 王の権力と正義、そして優しさ、真理、柔和さがたたえられています。また、その王座は世々限りなく続くと歌われています。力と優しさを持つ王は理想の男性像といえます。

 王たちの娘があなたの愛する女たちの中にいる。
王妃はオフィルの金を身に着けて、あなたの右に立つ。
娘よ。聞け。心して、耳を傾けよ。あなたの民と、あなたの父の家を忘れよ。
そうすれば王は、あなたの美を慕おう。彼はあなたの夫であるから、彼の前にひれ伏せ。
ツロの娘は贈り物を携えて来、民のうちの富んだ者はあなたの好意を求めよう。
王の娘は奥にいて栄華を窮め、その衣には黄金が織り合わされている。
彼女は綾織物を着て、王の前に導かれ、
彼女に付き添うおとめらもあなたのもとに連れて来られよう。(詩篇45:9~14節)

 後半に当たる10節から17節は、外国から嫁いできた花嫁について述べられています。きらびやかなドレスや金の装飾品や従者たちの姿に目が留まります。また、結婚生活の喜びと子供に恵まれる姿などが語られています。



2、理想の王との結婚

 詩篇45篇は王の婚礼で歌われましたが、それにふさわしい実際の王がいたのでしょうか。純粋な信仰を持った王、ダビデも罪を犯し完全な正義を持てませんでした。賢者ソロモン王も、高い税金を課して国民を苦しめたので優しさや柔和さとは無縁でした。

新約時代に入ると、この詩篇の内容に合致するのがまことの王、主イエスであると理解され、詩篇45篇の6~7節がヘブル人への手紙で引用されました。

御子については、こう言われます。「神よ。あなたの御座は世々限りなく、あなたの御国の杖こそ、まっすぐな杖です。あなたは義を愛し、不正を憎まれます。それゆえ、神よ。あなたの神は、あふれるばかりの喜びの油を、あなたとともに立つ者にまして、あなたに注ぎなさいました。」(ヘブル人への手紙1:8~9)

主イエスこそ、力ある神、真理と柔和を兼ね備えた真の王です。私たちが100%の信頼を寄せても、裏切られることがないのです。
王は豪華な花婿姿だけでなく、「没薬、アロエ、肉桂のかおり」(8節)などの高級香水で身を包み、その香りをかぐだけでも花嫁は幸福感で満たされました。私たちは、今、主イエスの愛に包まれています。

外国の王家からイスラエルの王に嫁ぐ花嫁には、王への忠誠が求められました。「父の家を忘れ」(10節)、結婚相手の王に「ひれ伏せ」(11節)とあります。
日本の伝統的な花嫁衣裳は白無垢です。あなたの色に染めて下さいという意味があるのでしょうか。父の家とは、つまり外国の文化や伝統、外国の王の王女としての身分などをすべて忘れ、イスラエルの王の妻としての道に専心するようにという勧めです。
クリスチャンにとって「父の家を忘れ」とは、この世の価値観から離れ、キリストが生きるように生きる生き方と説明できます。この世界の罪に傾斜する価値基準から離れ、主イエスへのさわやかな献身が求められています。
主イエスと結婚して生活をすると考えて下さい。それこそが、本当の幸せを得る道です。

あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたのくちびるからは優しさが流れ出る。神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。(2節)

娘よ。聞け。心して、耳を傾けよ。あなたの民と、あなたの父の家を忘れよ。
そうすれば王は、あなたの美を慕おう。彼はあなたの夫であるから、彼の前にひれ伏せ。(10~11節)

ある男性が女性と付き合っていましたが、別れました。その際、彼は彼女の欠点を何項目に渡って詳細に手紙に書いて送り付けました。彼女は、それを読んで返事を送ってきました。彼の素晴らしい点を列挙した温かい手紙でした。その彼女はクリスチャンでした。彼が受けた衝撃や自己嫌悪は想像できますね。時が流れ、彼は教会につながり洗礼を受けました。「父の家を捨て」る価値観を持っていた彼女の生き方は見事です。

花婿である主イエスをたたえましょう。力と優しさと柔和と正義を持つ主イエスの姿に近づきたいですね。「父の家を捨て」、罪を離れ、主イエスの価値観で生きていきましょう。私たちは、主イエスと結婚生活を送っているのです。

 →あなたの番です
  □まことの王、主イエスを賛美する
  □父の家を捨て、主イエスと生活する