マタイ10:24~33 一羽の雀さえ

 マタイ10章は弟子の心得を教えた章で、今日のテーマは恐れです。
 恐れは、主イエスの弟子とした歩むことをじゃまします。
 弟子よ、恐れるな、と主イエスは3回も言っておられます。


1、弟子よ、恐れるな

弟子はその師にまさらず、しもべはその主人にまさりません。弟子がその師のようになれたら十分だし、しもべがその主人のようになれたら十分です。彼らは家長をベルゼブルと呼ぶぐらいですから、ましてその家族の者のことは、何と呼ぶでしょう。だから、彼らを恐れてはいけません。おおわれているもので、現わされないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはありません。わたしが暗やみであなたがたに話すことを明るみで言いなさい。また、あなたがたが耳もとで聞くことを屋上で言い広めなさい。
(マタイ10:24~27)

 私たちは悪口に弱いです。元気な人も、一言で萎えてしまうことがあります。

 「だから、恐れるな」と主イエスは言われました。だからとは、恐れる必要がないという理由説明です。
 悪口を言われても、馬鹿にされても、恐れるな。先生である主イエスが、ひどいことを言われ続けているのだから、弟子であるあなたたちが罵倒されるのは当然だというのです。

 イエスは、悪霊の親分=ベルゼブルだと言われていました。悪霊のかしらだから、悪霊を追い出せるのだと律法学者たちは悪口を言い続けました。
 
 隠してはいけない。食卓で主イエスから聞いた話でも、語りなさい。暗闇で聞いたことも明るみで語りなさい。屋上で、街中で語りなさい。
 悪口や陰口を恐れず、律法学者の悪口に気力を削がれず、主イエスから聞いた福音を人々に語り続けなさい。



2、雀よ、恐れるな

からだを殺しても、たましいを殺せない人たちなどを恐れてはなりません。そんなものより、たましいもからだも、ともにゲヘナで滅ぼすことのできる方を恐れなさい。二羽の雀は一アサリオンで売っているでしょう。しかし、そんな雀の一羽でも、あなたがたの父のお許しなしには地に落ちることはありません。また、あなたがたの頭の毛さえも、みな数えられています。だから恐れることはありません。あなたがたは、たくさんの雀よりもすぐれた者です。(マタイ10:28~31)

 主イエスの弟子として真剣に歩むなら、必ず、暴力、迫害を受け、時には命の危険にさらされます。そんな時は、良い意味で居直り、死を恐れないことです。

人は人間の体を滅ぼすことしかできません。敵対者は、クリスチャンを迫害し、殺すことしかできないのです。神は体も魂も両方とも滅ぼすことのできる方なので、神のみを恐れよ。人を恐れるな。

1955年12月1日、アラバマ州モンゴメリーの町で、バスに乗っていた黒人女性が白人乗客に席を譲らずに座る決心をしました。静かで勇気あるこの行為が、黒人の人権運動の大きなうねりをもたらしました。その女性ローザ・パークスは、当時42歳。彼女を支えて運動の先頭に立ったのは26歳のキング牧師でした。ローザはこう言っています。「キング牧師は、真のリーダーでした。私は、彼に恐怖心があるのを感じたことがありません。」キング牧師は、自由のため、主イエスの福音を実践するために、恐れを乗り越えて活動しました。その結果、肉体の命を奪われましたが、反対者は彼の魂を滅ぼすことはできず、むしろ、敵対者たちは敗北しました。

自分がちっぽけな者に感じるとき、恐れを感じます。自分が世間に何の影響も与えないし、いてもいなくても同じような存在だと考えてしまうと、恐れが心を支配します。

当時、雀が売られていましたが、1羽では販売されず、2羽でいくらという売り方でした。日本でいえば、メザシ一匹のようなものです。
「そんな雀の一羽でも、あなたがたの父のお許しなしには地に落ちることはありません。」そうです、そんな雀の一羽であるあなたを、神は守ってくれます。
自分は価値がないと勝ってに思い込んでも、神はあなたを大切に考えています。あなたの髪の毛一本でさえ、神に数えられています。神は、あなたの人生の細部まで知っておられ、あなたを守っておられます。

だから、周囲のすべての人間を恐れるな。神だけを恐れよ。あなたは、神のセキュリティーの中で守られている。一羽の雀よ、恐れるな。


3、人を、恐れるな

ですから、わたしを人の前で認める者はみな、わたしも、天におられるわたしの父の前でその人を認めます。しかし、人の前でわたしを知らないと言うような者なら、わたしも天におられるわたしの父の前で、そんな者は知らないと言います。(マタイ10:32~33)

周囲からプレッシャーをかけられ、「まさか、君、クリスチャンじゃないよな」と言われたときも、自分の信仰をきちんと告白しましょう。

主イエスの十二弟子なのに、人の目を恐れて、自分の命が惜しくなり、主イエスの弟子であることを否んだり隠したりするなら、その時は、主イエスはあなたを知らないと言われます。

恐れる理由は存在しません。キリストの弟子として胸を張って歩みましょう。

「そんな雀の一羽でも、あなたがたの父のお許しなしには地に落ちることはありません」


→あなたの番です
  □主イエスの弟子よ、陰口や迫害を恐れるな
 □一羽の雀よ、あなたは守られている
  □救われし者よ、主イエスを人前で認めよ