「嫌われる人から好かれる人へ」 マタイ7:12

 これから「チェインジ」と題して7回シリーズのメッセージをします。全体を貫くポイントは、聖書を読むだけで終わらせず行動に移そうという趣旨です。
 今日は、「嫌われる人から好かれる人へ」というテーマです。

1、「くれない族」を卒業する

 嫌われる人とはどんな人でしょう。

   自己中心で我がままな人。
   劣等感が強すぎる人。
   否定的な人。
   不誠実な人。

 子供のころ愛されなかった。嫌われる人に共通した原因は、これかなと私は思います。お前は馬鹿だ、ブスだ、デブだ、要領が悪い、そんな事を言われ続けた人は、曲がった盆栽のような大人になります。自分の中に問題の原因があることに気が付かず、周囲の人だけ責めて生きる人が多いのです。
 「愛してくれない」「分ってくれない」「聞いてくれない」「一緒にいてくれない」。こいう人たちのことを、私は「くれない族」と呼んでいますが、周囲を責めるのはやめて、くれない俗は卒業しまししょう。

 まったく笑わない少年がいました。お母さんに捨てられ、片身の狭い思いをして他人に育てられた少年でした。成長したある日、母の日記を読む機会が訪れました。文章を読んで驚きました。息子を捨てた後悔と痛みがつづられていました。自分を責める思いから、包丁で指を切り落としたという記述を見て、母の気持ちが伝わってきました。この男性は、私が尊敬する伝道者の若き日の姿です。

 イザヤ49:14~16
しかし、シオンは言った。
「主は私を捨てた。主は私を忘れた。」と。
「女が自分の乳飲み子を忘れようか。
自分の胎の子をあわれまないだろうか。
たとい、女たちが忘れても、
この私はあなたを忘れない。
見よ。わたしは手のひらに
あなたを刻んだ。」

 福音とは神があなたを愛していること。これは、マザー・テレサによる福音の定義です。神は今のあなたを、そのままで愛しています。神に愛されていることに、安らいでください。これが、くれない族を卒業するコツです。

2、キリストだけを見る

 青年たちに助言します。女の子しか見てない男、男性に評価を受けてない男は、将来の伴侶としては除外しておいたほうが賢明ですよ。
 キリストを見ている人は、男でも、女でも、魅力があります。好かれる人になりたかったら、人を見ずに、キリストを見る人生を送ることです。
 
 大学生の夏のキャンプが開かれて、分科会で議論が沸騰したことがありました。一人の男性大学生クリスチャンが女性クリスチャンと意見がぶつかったのです。主イエスのために、こう思うとお互いが譲らす、分科会が終わっても二人は議論を続け、もっと長く議論したいと結婚してしまいました。私が高校時代に導かれた教会の牧師先生の結婚の逸話です。

信仰の創始者であり、完成者である方から目を離さないでいなさい。
(ヘブル12:2)

 修養会の講師であった佐藤彰先生に昨年私の家に泊まっていただきましたが、「イエスさまだけ見ていこう」という事で意見が一致し、意気投合しましたことを思い出します。キリストだけ見て、歩いている人は、実に魅力があります。

3、小さな愛を実行する

 チャップリンの映画『ライムライト』に有名なせりふがあります。「人生には、勇気と想像力、そしてほんの少しのお金があればいい」。私も同感です。人生には勇気がどうしても必要です。自分から一歩を踏み出すことが必要です。
 日本人女性クリスチャンの特徴をひとことで言うなら、「おしんクリスチャン」です。夫の横暴に耐える、夫の無視に耐える、夫の悪口に耐える、こういう姿が思い浮かびます。耐えることと似て非なるものは、具体的に愛すことです。耐えるという受身形から、愛すという能動態に変える必要があるのです。

それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、
ほかの人にもそのようにしなさい。
これが律法であり預言者です。(マタイ7:12)

 主イエスは、「そのようにしなさい」と言っています。僕らも、そのように実行しましょう。

 私のアパートにメンテナンスのワーカーが昨日来てくれました。苦虫をつぶしたような顔のメキシコ中年男性でした。浴槽の蛇口の水漏れを修理して一息ついたときに、私はこう言いました。うちの娘はスペイン語を勉強していて、グラシアスとかオレ!とか単語を教えてくれるよ。すると、表情がみるまに変わり満面の笑みになりました。帰り際には、メキシコに来なよ、案内するよ、と言ってくれました。一人の人間が、ニコッとしてくれたら、それで僕らは幸せです。

 マザー・テレサは言いました。愛は、家庭から始まるものだと。さらに、愛は祈りから始まる、と言いました。本当にそうだと思います。あなたの身近な人、家庭の親でも、配偶者でも、子供でも、そういう人に愛を届けましょう。

 『愛を伝える5つの方法』(ゲーリー・チャップマン、いのちのことば社)という本は実に具体的で、生活を変える力のある本です。その中に、ジムとジャニスの夫婦の話が書いてあります。結婚12年、子供が3人、夫のジムは真面目ですが、モノサシが歩いているような人で、妻の立場からは心が通じないし、愛されていないと感じ、ジャニスは離婚を口にしていた時でした。チャップマン先生の結婚セミナーに夫婦で出席しましたが、夫は表情を変えません。翌週のこと、月曜に、夫はバラの花を持ってきました。火曜に、夕食用ピザを買って帰りました。水曜は、子供にはお菓子、妻には鉢植えの花。木曜は、カードを渡し<自分は愛を伝えるのが下手だけど、君を愛してる>と書き添え。金曜は、奥さんの大好きなクッキーを持ち帰り。土曜は、子供をベビーシッターに預けてディナーに二人で出かけました。同じようなことは毎日できないけど、1週間に一度これから愛を形で伝えるよとジムは約束、1年で52回の贈り物を愛を込めて渡し、それを3年間続けて、チャップマン先生に報告したというのです。

 自分にしてもらって嬉しい事、それを相手の立場になって考え、祈り、あなたの愛を伝えましょう。今週、何か一つ、具体的に身近な人に愛のアクションを取ってください。そして、来週、教えてくださいね。聖書はあなたを変える、あなたは、家庭を変える。家庭は社会を変える。勇気を持って実行しましょう。