再建に取り掛かろう ネヘミヤ2:9~20

 シリーズ「指導者ネヘミヤ」の第3回。リーダーシップとは何だろう。一番簡潔な説明は、影響力だ。ネヘミヤは文字通り、人々に大きな影響を与えた指導者だ。

1、夢を掲げること I have a dream.

 ネヘミヤは旅の疲れを取ると、夜間にエルサレムの城壁の南から東の部分を視察した。恐らく、北部から都入りをし、西部方面に宿舎があったので、南部と東部の視察が必要だったのだろう。最終的な実況見分を終え、ネヘミヤはついにユダヤ人指導者らに夢を語った。
 「あなたがたは、私たちが直面している困難を見ている。エルサレムは廃墟となり、その門は火で焼きは払われたままである。さあ、エルサレムの城壁を建て直し、もうこれ以上そしりを受けないようにしよう。」(17節)
 1963年8月28日、約20万人の黒人らが人権回復を求めワシントンへ大行進を行ったが、マーティン・ルーサー・キング牧師はその際にI have a dream.と呼ばれる有名な演説をして多くの人々の心に希望を与えた。
 ネヘミヤも人々に夢を語った。リーダーシップとは夢を掲げることだ。自分の夢ではない、神の夢を語るのが真に霊的なリーダーだ。12節に「私の神が、私の心を動かし……」と書いてあるが、ネヘミヤの夢は神が与えた夢だった。
 第二次世界大戦後アメリカ生まれの日系二世が荒廃した東京に乗り込んで、町を再建しようと叫んでも、日本人は冷ややかな反応をしただろう。ネヘミヤの場合も、ペルシャかぶれの変なユダヤ人に命令されたくない、と冷遇されてもおかしくなかった。真摯な祈りが神に届き、マイナス要素の多い中でもネヘミヤは夢を伝達することができた。
 ジョン・マクスウェルはアメリカの企業家やリーダーたちのメンターと呼ばれるリーダーシップの権威だ。その彼は20年以上牧師をしてきた人物で、彼のリーダーシップ理論の土台は聖書だと言っても過言でない。聖書のリーダーシップは、政治でも経済でもどんな分野でも活用できる真理だ。
 神の夢はあなたにとって何だろう。神の夢を受け止めた人には、神の力がみなぎる。第2歴代16:9「その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。」


2、影響力を与えること Let's roll!

 2001年9月11日、同時多発テロでユナイテッド93便はハイジャックされた。乗客らは世界貿易センタービルで何が起きたかを知り、自分たちの飛行機も大量殺害の道具となることを知った。戦うべきだと誰かが言ったのだろう。そして、男性乗客らは決意を固めた。午前9時55分、トッド・ビーマーは、「Let's Roll(さあやろうぜ)」と叫んで仲間と共にコックピットを目指して突入し、さらなる惨事を防いだ。

 リーダーシップとは他者に影響を与えることだ。ネヘミヤは、再建の必要性、神の御手、王の許可などを人々に詳細に伝えた。希望は人々にこだまして、再建の機運が盛り上がった。聖書の言葉に注目しよう。ネヘミヤの言葉はユダヤ人の言葉になっていた。
 「そこで彼らは、『さあ、再建に取りかかろう』と言って、この良い仕事に着手した。」(18節)

3、あきらめないこと He can do it.

 主のために働こうとするとき、また、良い事に着手する時に必ず反発が起こる。サヌバラテ、トビヤ、ゲシェム(10、19節)は、ネヘミヤの敵対者になった地方役人だ。ネヘミヤは、敵からの影響力を阻止した。反対に動じないのは、信念の強さでなく、神を見上げているからできる。
「天の神ご自身が、私たちを成功させてくださる。」(20節)
 1970年4月11日、アポロ13号は月を目指していたが、酸素ボンベが爆発、3人の宇宙飛行士が生き残れる道を閉ざされた。月着陸船に酸素があることに気づき一同が乗り移り、寒さと暗闇と息苦しい船内で4日間耐え、奇跡的な生還を果たした。Jamese Lavell船長は、後に以下のように語ったという。どんなときでも決してあきらめてはいけない。神を信じ、神のうちに夢と希望を持ち続けなさい。未来はあなたの手の中にある。

 リーダーシップの話は、あなたには関係ない事ですか。こんな商売方法ではもうからないと気づいているなら、あなたは売り場のリーダーになる可能性があります。こうしたらチームは強くなれると思っているなら、あなたもコーチ候補者です。あなたが家庭にたった一人のクリスチャンなら、あなたがリーダーです。聖書を学ぶグループがあったらいいのになと思うなら、あなたがスモールグループを始めればいいのです。

 主イエスは12弟子を選び指導者として育てました。弟子たちは120人のクリスチャンのリーダーになりました。(使徒1:15)その120人はペンテコステで救われた3000人のリーダーとなったはずです。(使徒2:41)神は今もリーダーを求めています。

 あなたも、自分自身を主にささげ、主に喜ばれるリーダーになりましょう。「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについてきなさい。」(マルコ8:34)