詩篇9篇 主に感謝します 

 9篇は初めて登場する感謝の詩篇です。ヘブル語ではacrostic形式を取り、頭文字がヘブル語のアルファベットになっています。それが10篇まで続いているので、本来は一つの詩篇だったと思われます。

1、感謝は、探すもの         

「私は心を尽くして主に感謝します。
あなたの奇しいわざを余すことなく語り告げます。」
(1節)

 人間が不幸なのは、自分が本当は幸福であることを知らないからだ、とドストエフスキーは言いました。
 
 ダビデは苦しみの中にいました。3節によれば、敵と相対する緊迫した状況にあり、13節を見ると、悩みと死の危険にあることが分かります。それでも、第一声は感謝でした。

 旧約聖書において「奇しいわざ」とは、神の世界創造のわざ、あるいは出エジプトにおける救いのみわざを指します。あなたにとっての「奇しいわざ」とは何でしょう。
ダビデは、苦難に目を向けるのではなく、あえて神のみわざを注視しました。それが、感謝する秘訣なのです。日常生活の背後にある神のみわざを探すとき、感謝が生まれます。

 感謝する人になりましょう。感謝は積極人生のトレードマークです。感謝は、愛の宅急便を受領した後の<受け取り通知>です。感謝は、明日のドアを開く鍵です。


2、賛美は、存在を喜ぶこと           

 家内が日本に1週間帰っていた間、我が家の夕食は短時間で終わり、みんなの食欲が低下しました。料理の出来、不出来という問題はさておき、なんだか変だと感じました。家内が帰って来て謎が解けました。家族団らんの雰囲気を作っていたのは家内なのだと。温かさ、楽しさ、ゆとり、それらは家内がいたから成り立っていたものでした。エアポートに迎えに行ったとき、おもわず「帰って来てくれて、ありがとう。いつも一緒にいてくれて、ありがとう」と言いました。

「私は、あなたを喜び、誇ります。
いと高き方よ。あなたの御名をほめ歌います。」
(2節)

 賛美は、神の存在自体を喜ぶことです。心を開いて、<あなたがいてくれることが嬉しいです>と神に伝えることが賛美です。

 神の誠実さ、神の愛、神の赦し、神の守りを思い返してみましょう。神は賛美を受けるにふさわしい方です。
11節には、「主にほめ歌を歌え」とあります。14節でも、「あなたのすべてのほまれを語り告げる」とあります。

 賛美していると、悩みは小さくなります。まるで縮小コピーするみたいに、みるみる小さくなります。賛美によって主が共におられる事を確信できるので、悩みに立ち向かう体勢ができるのです。


3、信頼は、感謝と賛美の轍(わだち)が導く           

「御名を知る者はあなたに拠り頼みます。
主よ。あなたはあなたを尋ね求める者をお見捨てになりませんでした。」
(10節)

 感謝と賛美は、信頼への轍を作ってくれます。御名を知る、つまり、神をもっと知ることができるならば神に拠り頼むことは容易になります。神に拠り頼むなら、明日への希望がわいてきます。

 9節で「主はしいたげられた者のとりで、苦しみのときのとりで」とあります。12節で「血に報いる方は、彼らを心に留め、貧しい者の叫びをお忘れにならない」とあります。マイナスの状態でも、神に信頼するなら勇気が生まれるのです。
 
 さあ、あなたの番です。
 1)本当に感謝できる事を5項目探しましょう
 2)「あなたがいてくれてありがとうございます」と神に伝えよう
 3)苦しみにではなく、神に意識を向けましょう。