エペソ4:1~16 結び目

 頭に浮かぶのはいやな事ばかり。
 いやな事を何とかやり過ごす。
 そうやって365日が過ぎ、一生が終わる。

 そんな人生でいいですか。今日の箇所から、違う生き方を探してみましょう。


1、ひとつになる(1~6節)

 1節によると、クリスチャンは神に招かれた存在であると分かります。

 「さて、主の囚人である私はあなたがたに勧めます。召されたあなたがたは、その召しにふさわしく歩みなさい。」(1節)

 クリスチャンは、イエス・キリストの姿へ成長するように召されています。

 「ついに、私たちがみな、信仰の一致と神の御子に関する知識の一致とに達し、完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達するためです。」(エペソ4:13)

 信仰の成長に招かれた私たちが学ぶべき最初のことは、ひとつになるということです。

 同じ飛行機に乗り合わせた乗客の心はバラバラです。座席上のボックスに無理やりスーツケースを入れる人を見れば何となく嫌な気持ちがします。でも、その飛行機がハイジャックされテロに使われると知ったなら、同じ目的を共有する同志に変わります。

 「主は一つ、信仰は一つ、バプテスマは一つです。」(5節)

 3章からの流れで言えば、異邦人とユダヤ人が一つになることをパウロは想定していたのでしょう。二者が一つとなるのは、文化的、感情的、歴史的に見て実に困難なことでした。でも、一つになるのは不可能ではりません。
 クリスチャンは同じ神を信じるという意味で、すでに一であり、乗り合わせた乗客ではないのです。一つであることを維持するために、次のような心構えを持つようにパウロは勧めました。

 「謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに忍び合い、
平和のきずなで結ばれて御霊の一致を熱心に保ちなさい。」(2節、3節)

 嫌な人のことばかりを考えている。案外、そんな人が多いのです。まるで、嫌な人が亡霊になって周囲に漂う中で暮らしているようです。

 誰かと同じ服装や言葉使いや考え方を強要されたら悲鳴を上げますね。自分自身は誰とも似てないし、ユニークであり、自分に誇りを持っているなら、他の人にもそうする権利があることを認識しましょう。
 神は実に多様な人をお造りになりました。神のみこころの実現には異なるタイプの人が必要なのです。謙遜、柔和、寛容は、こうした広い視点から見ても妥当な態度です。

 違いを喜びましょう。違いから学びましょう。

 主イエスがその人をあなたのそばに置かれたのは、あなたの成長のためかもしれません。


2、結び合わされる(16節)

 16節を見ましょう。私たちの成長は、一人だけの成長ではなく、他の人と共なる成長です。

 「キリストによって、からだ全体は、一つ一つの部分がその力量にふさわしく働く力により、また、備えられたあらゆる結び目によって、しっかりと組み合わされ、結び合わされ、成長して、愛のうちに建てられるのです。」(16節)

 植物で言えば、ひまわり型ではなく、アイビー型が大事です。ひまわりは単体でニョキニョキと育ち大輪の花を咲かせます。一方、アイビーは蔦の絡まるチャペルのイメージのように、茎と茎とが絡まりあい、相互に支え合いながら上方へと伸びています。

 クリスチャンの成長は、互いに支えあうものです。備えられた結び目が成長を支えてくれます。

 私も今までたくさんのクリスチャンに出会い、そのすべての人から教えられ、祈られ、具体的に助けてもらいながら今日まで生きて来ました。あなたもそうですね。

 誰かと関わりを作りましょう。自分が先に心を開きましょう。

 あなたが結び目になるかもしれません。

 

3、みことばによる成長

 11節から13節で、パウロは牧師の存在理由を説明しています。牧師は、クリスチャン(聖徒)を整え、奉仕の働きをさせ、キリストに似た者となるようにと人々を導きます。

 「こうして、キリストご自身が、ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を伝道者、ある人を牧師また教師として、お立てになったのです。それは、聖徒たちを整えて奉仕の働きをさせ、キリストのからだを建て上げるためであり、ついに、私たちがみな、信仰の一致と神の御子に関する知識の一致とに達し、完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達するためです。」(11~13節)

 「整え」と訳された言葉は、ギリシア語でκαταρτισμός、英語で言えばequipという意味になります。
 この用語の使用例を他の箇所で見ると、破れた網をつくろう、不完全なものを完全にする、間違いを正す、訓練する、という意味で使われています。

 クリスチャンを整え、成長を促し、キリストの姿へと導くのは、神の言葉です。みことばを大切にしましょう。みことばの意味を探りましょう。暗記してその意味を味わいましょう。みことばに励まされ、具体的に行動しましょう。

 
 冒頭で言ったように、嫌な事ばかり考え、とにかくやり過ごすという人生はもう止めましょう。

 神は、あなたを成長へと招いておられます。すべての事がキリストの姿に変わるための触媒だと考えてみませんか。

 悔いのない人生を送りませんか。あなたの一番したい事は何ですか。主イエスがあなたの背中を押している事は何ですか。12節の「奉仕の働き」とは、実は、そのことかもしれません。

 あなたにお尋ねます。あなたは以下の働きへと主から招かれていませんか。

・子供にイエスさまを伝える働き
・家庭集会を開く
・個人伝道者
・会社でバイブルスタディーをする
・悲しみを抱える人の痛みを共有する
・留学生を物心共に支援する働き
・お年寄りを支える
・クリスチャンに宿を提供する
・ホームステイ先となり伝道する働き
・牧師になる
・新しく教会を開拓する
・財産を用いて経済的に困った人を支える
・海外で宣教師と伝道する
・政治家として神と国のために仕える
・マスメディアで主をあかしする
・クリスチャンとして小説家になる
・聖書研究テキストを書く
・ホームレスを援助する
・教会を支える忠実な人となる
・とりなしの祈りをする

 他にもたくさんの働きがあります。主イエスが、そうした働きにあなたを召してくださっていると分かれば、毎日の意味が違ってきます。

 ロサンゼルス生まれで18歳の男性がきれいな女の子に誘われ教会に行きました。翌週の集会にも参加しました。6箇所の聖句暗記の宿題をしてきた男性は彼一人でした。彼は聖書を暗記することにより、神のすばらしさを知り、イエスさまを信じるようになりました。
彼はやがて海軍に入り、28歳の時から同僚らに福音を伝え、救われた人を訓練する働きを始めました。聖句暗記を特に奨励し、一人が一人を育てるように徹底した結果、海軍で1000人以上の人がイエスさまを信じるようになりました。
 彼の名はDawson Trotman(1906-1956)、国際ナビゲーターの創始者です。ビリー・グラハムが、もっとも感銘を受けた人物と言及した優れた人です。
 ドーソンは、神のみことばによって整えられ、奉仕の働きへと導かれた人の一人でした。
彼の50年間の人生は、湖でおぼれた少女を助け、そのために自分自身が死ぬという劇的な最後で閉じられました。

 嫌な事ばかりを考え、やり過ごすだけの人生はもう止めましょう。成長を目指す人生、みことばに整えられる人生、勇気ある決断をする人生、生きがいのある人生を送りませんか。


→あなたの番です
□成長を目指しましょう
□違いを喜び、違いから学びましょう
□あなたの方から関わりを求めましょう
□みことばに整えられ、押し出され、あなたの使命を実行しましょう