コロサイ2:1~23 キリストに根ざして


 私は高校時代フェンシングの全国大会に出場し、当日は1勝2敗で予選敗退。ところが、予選で私が勝てた相手が優勝しました。良いコーチがいたら私も優勝できたかも、などと都合よく考えることもあります。
 すばらしい人生のコーチ、それが、イエス・キリストです。コロサイ2章から、キリストにつながる生き方を学びましょう。


1、自分の姿を描いてみる

 今の自分の本当の姿を木にたとえて絵にして下さい。その時、紙の中央部部に横線を引いて、それを地面と考えて木を描いてください。
 木の絵ができたら、あなたの根を書き加えてください。あなたの感想は?

 UCLAのバスケットチームを10回全国優勝に導いた伝説的な名コーチ、ジョン・ウッデン監督を知っていますか。彼は敬虔なクリスチャンでした。試合に勝つことは目的ではないと言い切り、選手たちに自制、愛、尊敬、協調性と努力の価値を教えました。ウッデン監督はこうも言っています。人からの賞賛と人格は別物で、賞賛とは人から見えるもの、人格は人から見えない本当の姿。賞賛を目指すのではなく、人格の成熟を目指せという趣旨のことを語っています。
 
 多くの人は見栄えばかりを気にして、根を忘れています。見えない根こそが大事なのです。人生の嵐や山火事に襲われても、切り倒されて切り株だけになっても、根がしっかりしていれば、やり直せます。「木には望みがある。たとい切られても、また芽を出し、その若枝は絶えることがない。」(ヨブ記14:7)

今日の中心聖句6~7節を心に刻んでください。

あなたがたは、このように主キリスト・イエスを受け入れたのですから、彼にあって歩みなさい。キリストの中に根ざし、また建てられ、また、教えられたとおり信仰を堅くし、あふれるばかり感謝しなさい。(コロサイ2:6~7)

2、幼稚で有害な思想

 あのむなしい、だましごとの哲学によってだれのとりこにもならぬよう、注意しなさい。そのようなものは、人の言い伝えによるものであり、この世に属する幼稚な教えによるものであって、キリストに基づくものではありません。(8節)

 思想や哲学は、時として社会を破壊するほど力があります。経済的な重圧にあえいだドイツは、独裁者ヒットラーを熱狂的に歓迎しました。オウム真理教が多くの若者を獲得したことを思い起こして下さい。思想によって操作され、誰かのとりこになる危険は、今も常にあるのです。コロサイ教会では、「グノーシス」と呼ばれる思想の影響を受けて、信仰の内容がゆがめられていました。

 グノーシスの教えとは、哲学の親和性で言うならプラトン主義、つまり、真理はきよいもので物質をもたないという二元論です。グノーシスの活動は、禁欲生活(16、21節)、特殊な礼拝儀式(23節)、苦行(23節)などを伴います。パウロはそれを、幼稚、無意味、人をだますもの(8節)と見抜きました。

 日本人は、自分は知識人だと自負しますが、うらない、迷信、怪しげなスピリチャリティーなどを安易に信じ、マスコミに操作された情報を鵜呑みにして踊らされています。

 キリストに根ざしていない人は、その時代の思想や流行に押し流されてしまいます。


3、キリストに根ざす

 キリストに根ざすとはどんな事でしょう。キリストがどんな方か知的に理解し、キリストの命につながりながら生きることです。バプテスマ(12節)と罪の赦し(13~15節)の理解は、キリストに根ざすことの根幹です。

あなたがたは、バプテスマによってキリストとともに葬られ、また、キリストを死者の中からよみがえらせた神の力を信じる信仰によって、キリストとともによみがえらされたのです。(12節)

それは、私たちのすべての罪を赦し、いろいろな定めのために私たちに不利な、いや、私たちを責め立てている債務証書を無効にされたからです。神はこの証書を取りのけ、十字架に釘づけにされました。神は、キリストにおいて、すべての支配と権威の武装を解除してさらしものとし、彼らを捕虜として凱旋の行列に加えられました。(13~15節)

 コロサイ2章で最も多く繰り返される言葉は「キリスト」で17回も登場します。(2、3、5、6、7、8、9、10、10、11、12、12、12、13、15、17、20節)最も大切なことは、キリストを知り、キリストに根ざすことだとパウロは強く言いたいのです。

「樫の木の下を見てみると木と同じくらい大きな根が見えるはずだ。私たちはその根を育ててきた」アップルのスティーブ・ジョブスが苦境の時にこう発言しました。樫の木は、地上部分と同じ規模の根が地下に生える特徴があります。

木の根には「水分屈性」という特性があり、根は水分のある所を見つけ自然に伸びていきます。さて、私たちにはキリスト屈性があるでしょうか。
日常生活でキリストを求める心を持ちましょう。キリストが語られている事に気づく感性を育てましょう。キリストにもっと語り、交わりを深めましょう。キリストから、愛や励ましや力をもらいましょう。
木としての自分の見栄えや評判ばかりに目を向けると失敗します。キリストに根ざしましょう。「下に根を張り、上に実を結ぶ。」(イザヤ37:31)

 あなたがたは、このように主キリスト・イエスを受け入れたのですから、彼にあって歩みなさい。キリストの中に根ざし、また建てられ、また、教えられたとおり信仰を堅くし、あふれるばかり感謝しなさい。(コロサイ2:6~7)

 →あなたの番です
 □時代に流されない生き方をしましょう
 □キリストに根ざしましょう
 □人の評判でなく、人格の成長を目指しましょう