マタイ6:25~34 明日の心配

 日本の古いドラマを見ていたら、登場人物が自分の積極性を説明するために、「大丈夫、私はポジティブ・シンキングだから」と答えていました。thinking(考える)とsinking(沈む)は別物です。その時の発音がsinkingなので前向きに落ち込むことになります。
 あなたは、心配しやすい人ですか。

1、心配するな
だから、わたしはあなたがたに言います。自分のいのちのことで、何を食べようか、何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を着ようかと心配したりしてはいけません。いのちは食べ物よりたいせつなもの、からだは着物よりたいせつなものではありませんか。空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。(マタイ6:25~27)

 あなたは今、何かを心配していますか。若い人は、大学、就職、結婚の心配があります。結婚していれば、相性、子育て、生活やお金の心配があります。年齢が上がると、親の介護や自分の病気、老後の生活など不安になります。

 今日の箇所全体でイエスさまが言いたいことは心配するなの一言です。主イエスは、誰に対してこう言われたのでしょう。心配しているすべての人です。
 なぜ、心配するなと言われたのでしょう。心配に効用はなく、マイナスになるからです。「心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。」とある通りです。

主イエスは、語りながら空を飛ぶ鳥を見なさいと言いました。また、地面を指さして、花を見なさいと言われました。神は、空の鳥を養い、野のゆりを装ってくださるのだから、神は必ずあなたに良くして下さると説明されました。

きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。信仰の薄い人たち。(30節)

心配とはいわば信仰のようなものです。物事が否定的な結果になるはずだと固く信じているからです。だから、主イエスは「信仰の薄い人たち」と指摘されました。主イエスの側から言うなら、なぜ私に信頼しないで最悪のシナリオだけを信じてしまうのだ。なぜ、慈悲深い父なる神に信頼しないのだと言いたいのです。

心配の芽が顔を出したら、それを祈りに変えましょう。ネガティブ体質にさよならしませんか。


2、キングダムビルダー
こういうものはみな、異邦人が切に求めているものなのです。しかし、あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります。(32~34節)

神の国とその義を第一にすれば、必要なものは与えられると主イエスは言われました。この言葉は唐突に思えるかもしれません。山上の垂訓を貫くメッセージを思い出せば、唐突ではなく筋が通った説明だと納得できます。
心配しすぎたり、ネガティブになる人は、心配のあまり、神の国建設の手が止まってしまいます。自分の狭い世界に入り込んで出て来れなくなります。それで、主イエスは、心配を止めなさい、神の国のために行動しなさいと言われたのです。

 心配に振り回されて、神の国建設の働きを止めていませんか。眉間にしわを寄せ、暗い顔になり、身近な人への親切を忘れていませんか。こんな状態では福音は語れないと伝道を一時停止していませんか。あなたは、キングダムビルダーです。神の国を作りましょう。神の義を実現しましょう。身近な人に温かい心で接しましょう。

 休暇で先週、日本に行って来ました。娘が航空会社に勤めている関係で、スタンバイチケットで出かけました。どうやら満席らしいと直前に分かりました。このチケットは、席が空いているなら乗せてもらえるものです。私は、今回、神さまを単純に信頼することにしました。エアポートのゲート前の待合場所では、正規のチケットを持った人が列を作り、次々と入って行きます。私は妻に祈ろうと言いました。「主よ、どうぞ乗せて下さい。きっと乗せて下さると信じます。」と主にお願いしました。どちらかというと私は、否定的将来を何種類か予測し、最悪に備えるタイプです。こういう場面で、否定的な事を言うことが多かったので妻を疲れさせていました。今回は、心配を止めて、主に信頼することに決めていましたので、妻は私の態度に驚いていました。ほとんどの人がゲートに入り、飛行機のドアが閉まる15分前になって、私たち夫婦の名前が呼ばれました。乗れたのです。ウエイティングリストや乗客数からいうなら、奇跡です。ビジネスクラスの席に隣り合わせた私たちは、手を握り合い、二重の意味で感謝の祈りをささげました。

 あなたの番です。心配は止めましょう。父なる神に信頼しましょう。


 →あなたの番です
  □心配を止めよう
  □どんな時も、神の国を建設しよう
  □神は、必要なものを必ず与えて下さる