マタイ9:32~38 収穫は多い

1、心を閉ざすパリサイ人

この人たちが出て行くと、見よ、悪霊につかれたおしが、みもとに連れて来られた。悪霊が追い出されると、そのおしはものを言った。群衆は驚いて、「こんなことは、イスラエルでいまだかつて見たことがない。」と言った。しかし、パリサイ人たちは、「彼は悪霊どものかしらを使って、悪霊どもを追い出しているのだ。」と言った。
(マタイ9:32~34)

 耳が聞こえないので話せないという場合が多いので、この人が主イエスの奇跡も教えも耳から聞くことはできません。それで、主イエスを知っていた人がこの人を連れて来たのかもしれません。

 主イエスは、その人から悪霊を追い出し、話せるようにしてあげました。人々は驚きました。「そのとき足のなえた者は鹿のようにとびはね、口のきけない者の舌は喜び歌う。」(イザヤ35:6)という預言の成就です。
 話せるようになった人は何と言ったのでしょう。「ありがとうございます。ずっと夢見たことでした。信じられません、私が話せるなんて。」と言ったかもしれません。

 伝道を難しく考えることはありません。主イエスを知らない人を、主イエスの所にお連れするだけで良いのです。自分がしてもらったように、してあげれば良いのです。

 この奇跡を見ても、喜ぶことなく、憤っている人たちがいました。パリサイ人です。目の前で起きた奇跡は否定できないので、この奇跡は悪霊のかしらによるものと決めつけました。最も悪いことをする悪霊が、親切で良いことをしたと言い張るのです。

 こんなに心を閉ざすのはなぜでしょう。パリサイ人は、主イエスが嫌いだからです。宗教権威者という立場が脅かされたので嫉妬心が燃え上がったのです。

 あなたにも私もすぐにパリサイ人になれます。自分より若い人が来たら嫉妬します。能力のある人、美しい人、人気のある人が来れば、私たちもパリサイ人と同じ気持ちになります。今、誰かに無性に腹が立ったり、いつもその人のあら捜しをしているなら、あなたもパリサイ人になっています。そういう自分にさよならしましょう。


2、主イエスの目

それから、イエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいを直された。また、群衆を見て、羊飼いのない羊のように弱り果てて倒れている彼らをかわいそうに思われた。(マタイ9:35~36)

 主イエスがガリラヤ湖畔の町カペナウムでしたことが9章全体に書いてありました。つまり、罪を赦し、律法的な生活習慣から開放し、病気をいやし、失望している人に希望を与えて来ました。どこの町に行っても、主イエスはそれと同じことをしたのです。

 1)会堂で神のことばを教える………山上の垂訓。神のことばで人を生かす。  2)御国の福音を宣べ伝える…………神の国がある。救いがある。キングダムビルダー。  3)病気をいやし、悪霊を追い出す…現実の悩み苦しみから解放する。

 羊飼いを失った羊の状態だった群衆を無視することは主イエスには不可能でした。羊飼いを失い、良い牧草地に行けず、食べ物が無く、安全を失い、行き場をなくし、不安の中にいる羊と群集は同じだと見抜かれました。

 主イエスは人々に、神のことばを与えて魂の食物とし、福音を伝えて完全な罪の赦しを与え、神の国があることを教え、神の国を作る使命が与えられていること伝え、各人の切実な悩みを解決されました。

 あなたの周囲にいる人を見てください。本当の姿は、羊飼いのない羊です。その人のために、祈りましょう。



3、働き手が必要

そのとき、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい。」(マタイ9:37~38)

 主イエスは弟子たちが見えないものをもう一つ見ていました。収穫を待つばかり畑です。豊かに黄金色に実った畑です。

豊作の畑とは、神の言葉を受け入れたい人がたくさんいるという事です。罪が赦され、信仰告白をし、神の国のために生きようとしている予備軍がたくさんいるという事です。弟子たちには見えませんが、主イエスには見えています。収穫は多いのです。必要なのは、刈り取る人だと主イエスは言います。

「収穫の主に、収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい」と主イエスは十二弟子に言われました。あなたが十二弟子の一人で、この言葉を聞いたらどう応答しますか。「ここに、私がおります。私を遣わしてください。」(イザヤ6:8)と言うことができます。

伝道とは、実った穂を刈り取るだけの作業なのです。もう、畑は色づいているのです。私たちが誰かを教会に誘ったり、聖書の言葉を教えたり、祈ってあげたり、具体的に援助するプロセスを通して伝道ができます。

フランシスコ・ザビエルは1547年、マレーシアのマラッカで3人の日本人に会い驚嘆しました。特に、ザビエルが語る聖書の言葉をメモしながら聞くヤジロウという武士の姿に驚いたのです。日本人は他の民族と違う。ザビエルは、ヤジロウを見て収穫するばかりの畑を見たのです。1549年、ザビエルは鹿児島に上陸、平戸で100人に洗礼をさずけ、山口で500人に洗礼をさずけ、約2年の日本滞在で多くの人を導きました。


まとめます。
奇跡を見ても心を閉ざし、嫉妬するだけのパリサイ人のような生き方を止めましょう。身近な人に寄り添い、みことばと愛と手を伸ばし、主イエスのもとに連れて行きましょう。それが、収穫の働きです。


矢印あなたの番です
 □偏狭で、嫉妬する自分に、さよなら
 □自分がしてもらったように、誰かにしてあげてイエスに導こう
 □収穫は多い、あなたが働き人になろう