スランプ  第1列王19:1~8

 「若葉のメッセージ」シリーズ第3回目は、信仰のスランプについてついてです。スポーツ選手がスランプに陥った話は良く聞きますが、クリスチャンもスランプになります。それが信仰の確信を揺さぶることがあります。
 スランプに陥り、死を願った4人の例を見ながら、スランプの原因とその脱出方法を見つけましょう。脱出に導くキーワードは、<出会う>、<気づく>、<分ける>、<休む>、の4つです。

1、大きな災いに遭ったヨブ
 
 7人の息子と3人の娘を一日で失い、財産すべてをなくしたヨブは、神をのろい、生まれなければよかった、つまり死にたいと口にしました。

 ヨブ記3:11「なぜ、私は、胎から出たとき、死ななかったのか。なぜ、私は、生まれ出たとき、息絶えなかったのか。」

 ヨブの場合は、大きな災難がスランプの原因です。悲しみと苦悩の中で、信仰がゆらぐのは理解できます。ヨブは、正しい者が苦しみに遭う不条理を嘆き、神に「なぜですか」と問い続けました。ところが答えは得られませんでした。苦悩の理由を求めても、答えを得ることはできないと私は思います。ヨブは問い続けた質問とは異なる次元で脱出の道を得ました。ヨブのキーワードは、<出会う>です。ヨブはまことの神に出会ったのです。目からうろこが落ちるように、神と出会ったのです。自分が知っていた神は、神のほんの一部だったことに気づきました。

2、願いがきかれないヨナ

 自分の願い通りにならないと、へそを曲げ、信仰が揺れてしまう人がいます。あなたが今欲しいものは何ですか、とのアンケートに答え、「変人」と書いた人がいました。「恋人」のつもりが字を間違えたのです。クリスチャンの独身男性が陥りやすい失敗に、<自爆テロ的プロポーズ>があります。「祈って、聖書を読んで分りました。あなたは神のみこころの人です。結婚してください。」こう一方的に言われた女性はたまりませんね。「それは神の御旨ではなく、あなたのおこころでしょう」と言ってやりましょう。

 ヨナは紀元前700年代の預言者でしたが、自分勝手な男でした。アッシリヤの首都ニネベを救うためにメッセージを語れと神に命じられ、俺はいやだとばかりに反対方向を目指して船で逃げ出した預言者です。嵐の海で魚に飲み込まれ、その中で悔い改め、ニネベに出向き、3日で滅ぼされるから悔い改めよと町中で語りました。その結果、王様を含めて皆が悔い改め、町は救われたのです。
 願いがきかれなかったのを見てヨナは、腹を立て、勢いにまかせて俺を殺せと息巻いたのでした。

 ヨナ書4:3「主よ。今、どうぞ、私のいのちを取ってください。私は生きているより死んだほうがましですから。」

 脱出のためのキーワードは、「気づく」です。自分のわがままに気づくことは大切な人生のレッスンです。願いがきかれないことを通して、自分の本当の姿に気づくことは重要です。その時、神の忍耐やあわれみにも気づくのです。

3、責任の重さにつぶされたモーセ

 モーセは、「地上のだれにもまさって非常に謙遜であった」(民数12:3)と言われる指導者です。偶像礼拝をした民を神の怒りから救おうと自分の命さえ投げ出した人物です。(出エジプト32:32)エジプトから民を導き出し、シナイ山で十戒を頂き、幕屋を作り終えた頃、人々がエジプトを思い出し、肉が食べたい、にんにくやスイカが食べたいと不平をもらしました。それを聞いたとき、モーセは死を願いました。張り詰めた糸が切れたのです。このわがままな人々を連れて歩くのには耐えられない。死んだほうがいい。モーセのスランプの原因は責任の重さでした。

 民数記11:15「私にこんなしうちをなさるのなら、お願いです。どうか私を殺してください。これ以上、私を苦しみに会わせないでください。」

 脱出の鍵は、<分ける>です。民数記11:17で主は、モーセの霊を民の指導者に分けるよう勧めておられます。
 あなたの重荷を誰かと分かち合いましょう。分けることは恥でもないし、弱さでもありません。一人で抱え込むと、あなたもつぶれ、あなたの周囲の人も被害を受けます。分けることは、人生の智恵です。奥さんに話しましょう。夫に話しましょう。仲間に話して祈ってもらいましょう。支えてもらいましょう。重荷を少し持ってもらいましょう。

4、疲れたエリヤ

 炎の預言者エリヤは、バアルの神と預言者との戦いに疲れ切り、豪雨の中を走り下り、陰の権力者イゼベルに命を狙われて、力尽きました。

第1列王19:4「主。もう十分です。私のいのちを取ってください。」

 スランプの原因に覚えがないという人は、蓄積疲労が原因として考えられます。寝てない。休んでない。疲れすぎて、頭も回転しない。体は不調だし、悪いことばかり考える。早く寝なければと思っても、眠れない。
 神はエリヤを責めません。エリヤに食べさせ、ゆっくりと寝かせる神でした。神がエリヤに言われ言葉は、「起きて、食べなさい。旅はまだ遠いのだから。」(第1列王19:7)でした。

 信仰のスランプからの脱出法、最後のキーワードは、<休む>です。思い切って休みを取りましょう。いつもより1時間、早く寝ましょう。運動を少しずつ始めましょう。温泉にもつかってみましょう。
 

 あなたは今日、信仰のスランプにいますか。信仰のスランプから脱出するためのキーワードで、あなたに必要なものは以下のどれですか。神と出会う。自分の我がままに気づく。責任を分ける。思い切って休む。

 あなたの番です、信仰のスランプの原因を見定め、適切な脱出方法を試みましょう。それも、誰かと祈り合いながら、励まし合いながら。