勇士よ 士師記6:11~24

 今日からシリーズでギデオンについて学びます。今年のテーマ「用いてください」をギデオンの成長の記録を通して掘り下げたいと願っています。

 指導者不在の時代、それが士師記の背景です。モーセが天に召され、後継者ヨシュアも死んだ後、イスラエルの民は約束の地に到着しながらも神を離れ、自分勝手に生きるようになりました。その結果、社会は乱れ、外敵の侵入を招きました。人々がやっと神を真剣に求めるようになると、神は指導者(士師)を用いて助けられました。士師記全体を読むと、不完全なリーダーすら用いられる神の姿が浮かび上がってきます。
 ミデヤン人は、らくだで移動する遊牧の民で、イスラエル人は彼らに7年間も悩まされました。(士師記6:1)大切な穀物を奪われ、町は荒れ果てました。


1、Mighty Warrior  <神の視点>

 そんなとき、主の使いがギデオンに現れ、こう言いました。

 主の使いが彼に現われて言った。「勇士よ。主があなたといっしょにおられる。」(12節)

 「勇士」(Mighty Warrior)と呼ばれてもギデオンは何の反応も示しません。むしろ憤りを伴う否定的な返答をしました。神がいるなら、なぜこんな事が起きた。かつての神の奇跡はどこにいった。神に見捨てられたも同然だ。(13節)

 ギデオンは、悲観的で懐疑的でした。しかし、神は、現在のギデオンの中に、未来の勇者の姿を見ておられました。ここに神の視点があります。
 我々はともすると人の目を気にしがちですが、神の目にもっと注目しましょう。

 主イエスが、頼りないシモンにペテロ(岩という意味)という名を与えたことをみると、神というお方は人を全く違う視点で見ていることが分かります。

 神は、今日、あなたをどんな名で呼んでくださるのでしょう。


2、You  <動き出せ>

 神はギデオンの「なぜ」という質問にどう答えたでしょうか。御使いの答えは神の答えと考えることができます。

 すると、主は彼に向かって仰せられた。「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え。わたしがあなたを遣わすのではないか。」(14節)

 神はギデオンの質問を完全に無視しているのでしょうか。いいえ、神はギデオンの質問に正面から答えておられるのです。答えは、YOUです。あなたの疑問、悲嘆、絶望に対する答えは、<あなた>だ。ミデヤンから人々を救うのは、あなただ。

 ダイアナ妃は1991年、AIDSの病院を訪ねました。弱りきった男性患者のそばに来たダイアナ妃は、患者のベッドに腰掛ました。その時、自分自身にこう言ったそうです。Diana, do it, just do it. ダイアナ妃は心を込めて、その患者を抱きしめました。男性は泣いたそうです。この瞬間が、彼女を次のステップへと引き上げました。

 神は、あなたに言われます。問題解決の鍵はあなたが握っている。あなたがしなさい。

 神は、不完全で欠けの多い者すら用いることができるのです。


3、I will be with you. <主はこれからも共にいる>

 主は、ギデオンをサポートするために、こう約束されました。

 主はギデオンに仰せられた。「わたしはあなたといっしょにいる。」(16節)

 さあ、動き出そう。長い列車の先頭の機関車があなただ。神は、その列車の最後部に強力な機関車を連結し、こう言われる、「さあ出発しよう。わたしがいっしょだ。急勾配も心配いらない。わたしが力を貸そう。わたしはいつもいっしょだ。」

 I am with you.と神に言われると嬉しいですね。この箇所の英語聖書NIVにあるように、I will be with you.と明確に言われると、将来の保証も含むのでさらに勇気が出てきます。

 モーセも、ヨシュアも、同じ励ましを神からもらい、奮い立ちました。(出エジプト3:12、ヨシュア1:5)十二弟子も同じです。(マタイ28:20)

 1996年2月ワシントン州の中学で14歳の男子学生が銃で生徒2人、教師1人が射殺した。学校を守ろうと父兄たちが立ち上がったが、その中に、コリーン・トラフスという主婦がいた。毎日のように学校にでかけ、生徒に声をかけ、10月には専任の職員となり生徒に心を配ったが、12月、別の生徒が家庭で女兄弟と母親を殺害する事件が起きてしまった。
 コリーンは、祈った。祈り続ける中で、アイディアが生まれた。同情心、尊敬、責任、忍耐力、の4つを生徒に教えよう、考えさせよう、学校を挙げて、地域を巻き込み、大切な心を育てようと立ち上がった。布に書いた4つの言葉を150枚学校に張った。地域の店にも張らせてもらった。町は変わり始めた。
 
 ギデオンは、神の言葉を受け止め、いけにえをささげ、祭壇を築くことで献身の姿勢を表明しました。(9~24節)

 さあ、あなたの番です。
 
□問題解決のスタート地点が自分にあると認識しよう。
□隣人を愛すため、動き出そう。
□主と福音のため、あなたのできることをしよう。
□小さな一歩があなたを励ます。まず、小さな事を今日しよう。