詩篇4篇 私が呼ぶとき

夜の祈りと呼ばれる4篇を見ていこう。夜の祈りとみなされる理由は、床の上で自分の心に語る箇所(4節)と身を横たえ眠る(8節)という部分に由来する。

1、呼べば答える神      

3篇と同じくこの4篇も苦難の中での祈りだ。根底に流れる思想は信頼。苦しくても、神への信頼に陰りはない。まことの神は、私たちが呼ぶとき明確に答えてくださる神だ。

私が呼ぶとき、答えてください。私の義なる神。
あなたは、私の苦しみのときにゆとりを与えてくださいました。
私をあわれみ、私の祈りを聞いてください。(詩篇4:1)

苦しみのときにゆとりを与えてくださったと過去形で訳すのは口語訳、新改訳。ゆとりを与えてくださいと訳すのは新共同訳と英語聖書NIV。誤訳ではない。前者は直訳。後者は聖書ヘブル語文法に基づき<願い>を<完了形>で書き表す「祈願的完了形」であるとの認識。

第1ヨハネの手紙にはこの事と関連して興味深い聖句がある。祈りがきかれたと先取りする信仰姿勢を推奨している。
「何事でも神のみこころにかなう願いをするなら、神はその願いを聞いてくださるということ、これこそ神に対する私たちの確信です。」(第1ヨハネ5:14)

詩篇4篇の作者は、過去の試練において神からゆとりを頂いた経験があるのだろう。困難に出会った今、ゆとりを神に願っている。

4篇のような落ち着いた祈りができること自体が、既に<ゆとり>をもらっている印。


2、自分の心との対話

詩篇2篇と似た構造が2節にある。人々の一部が神から離れ、むなしいもの、まやかしを求めている姿をまず描き、3~5節で問題への対処方法を述べている。


恐れおののけ。そして罪を犯すな。
床の上で自分の心に語り、静まれ。(詩篇4:4)

夜の闇は神からの贈り物だ。明るい昼間、人間の目は自分の外にだけ向く。夜の闇が私たちを覆うと、目は自分の内面に注がれる。心を静めよう。自分の心と向き合おう。そのとき、自分の本当の姿が見えてくる。これなしには、本当の幸せをつかむことができない。

3、あなただけが!

7節は、物質的喜びを超えた真の喜びに言及している。

あなたは私の心に喜びを下さいました。
それは穀物と新しいぶどう酒が豊かにあるときにもまさっています。(詩篇4:7)

私たちも神の恵みに目を留めよう。神がくださる喜びは物質的な喜びと次元が異なる。神からの喜びは以下の4つにまとめることができると私は考えている。

1)愛されている そのままのあなたが愛されている
2)罪赦されている どんな罪も赦された
3)主がともにおられる 一人ではない、神と共に歩むことは幸いだ
4)主に期待されている 自分が必要とされている、為すべき事がある

これらの恵みを夜、振り返るなら、大きな感謝に包まれ、熟睡することができる。

ところで、超豪華ホテルの理念には素晴らしい姿勢が掲げえられています。お客様がベッドで休むひとときを大切に考えていると公言するホテルもあります。ベッドに入り一日を振り返り、「このホテルに来て良かった」とお客さまに満足してもらうため、心温まる思い出作りのためにホテル従業員は働いているといいます。

神は、私たちが試練の中や苦難の中でも落ち着いて眠れるようにとすべてを整えておられます。あなたの安眠は神の贈り物です。

平安のうちに私は身を横たえ、すぐ、眠りにつきます。
主よ。あなただけが、
私を安らかに住まわせてくださいます。(詩篇4:8)

神に、心から「ありがとう」と言って今晩眠りにつきましょう。
本当の幸せは、主だけから来るのです。


→あなたの番です

1)自分の心を静かに見つめ、感謝と悔い改めをしよう
2)真の幸せは、神からだけ来るのです。そのことを心に刻みましょう
3)主が、あなたの願いにすでにかなえられたと先取りしよう