エペソ5:22~33 夫と妻と教会

 御霊に満たされて歩む。それがエペソ人への手紙の結論でした。

 それでは、御霊に満たされた人は、具体的にはどう生活したらいいのでしょう。夫婦、親子、職場、という3つの場面をパウロは想定して、御霊に満たされた人の実際生活を説明していきます。今回は夫婦について考えてみましょう。

1、キリストと教会

 ある男性がいました。能力があり、地位も名誉も富もある人で、人柄が良く、その上ハンサムでした。その彼がある女性に恋しました。人並み以下の容姿、がっかりするスタイル、性格は悪く、万引きの常習犯、お世辞にもかわいいとは言えない。その女性が街でヤクザを怒らせ、ドスで刺されそうになりました。近くにいた男性は彼女をかばい身代わりに刺されてしまいます。
 助けられた女性は男性を愛すようになり、人柄が変えられ、やがて美しい人に変えられ、二人は共に暮らすようになりました。

 この男性が主イエスです。その女性が私たちであり、教会の姿です。エペソ22~33に描かれているキリストと教会の姿を、私なりに分かりやすく解説したつもりです。

 主イエスが何をされたか。教会は何をするか。その点に注意しながら今日の箇所全体を読み直して下さい。

22妻たちよ。あなたがたは、主に従うように、自分の夫に従いなさい。
23なぜなら、キリストは教会のかしらであって、ご自身がそのからだの救い主であられるように、夫は妻のかしらであるからです。
24教会がキリストに従うように、妻も、すべてのことにおいて、夫に従うべきです。
25夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、あなたがたも、自分の妻を愛しなさい。
26キリストがそうされたのは、みことばにより、水の洗いをもって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、
27ご自身で、しみや、しわや、そのようなものの何一つない、聖く傷のないものとなった栄光の教会を、ご自分の前に立たせるためです。
28そのように、夫も自分の妻を自分のからだのように愛さなければなりません。自分の妻を愛する者は自分を愛しているのです。
29だれも自分の身を憎んだ者はいません。かえって、これを養い育てます。それはキリストが教会をそうされたのと同じです。
30私たちはキリストのからだの部分だからです。
31「それゆえ、人はその父と母を離れ、妻と結ばれ、ふたりは一心同体となる。」
32この奥義は偉大です。私は、キリストと教会とをさして言っているのです。
33それはそうとして、あなたがたも、おのおの自分の妻を自分と同様に愛しなさい。妻もまた自分の夫を敬いなさい。(エペソ22~33)

 お気づきになったでしょう。イエス・キリストは、教会を愛し(25)、命をささげ(25)、教会を水とみことばで洗い(26)、聖く栄光に輝く姿にし(27)、養い育ててくださいました。(29)

 私が分かりやすく説明した意図が理解して頂けましたか。

 教会は、主イエスの愛を受けて、主イエスに従うようになります。(24)

 32節には驚くべきことが書いてあります。この箇所は結婚式で必ず読まれる箇所で、父と母を離れた新郎新婦が結婚により一つとなると説明されます。ですが、パウロの説明のポイントは夫婦にははく、キリストと教会の関係です。一心同体になるのは夫婦ではなく、キリストと教会だと念を押しています。

 「この奥義は偉大です。私は、キリストと教会とをさして言っているのです。」(32節)

 私たちは、主イエスを信じることによって、主イエスと一つにされているのです。夫婦が一体となる以上に、キリストと教会は親密な関係になっているのです。初期の教会は、旧約聖書の雅歌を大切にし、男女の愛と主イエスと教会の関係の類比を深く学び、主イエスとの親密で豊かな一体感を大切にしました。

 主イエスと一つとされていることを感謝しましょう。



2、夫と妻

 主イエスと私たち教会の関係を明らかにしながら、パウロは夫婦のあり方を述べました。

 ポイントは明瞭です。夫は妻を愛す。妻は夫に仕える。これだけです。

 注意深く読むと分かりますが、夫への命令は妻を愛しなさい、と3回繰り返しているだけです。(25、28、33節)

 愛す。これは、男には一番苦手で、女性が一番必要とするものです。

 キリストが教会を愛したように愛せ(25)と書いてあります。キリストは教会の救い主(23)でもあります。そうすると、普通の愛し方では不十分だと分かります。

 ジョン・エルドリッジが書いた「Wild at Heart」という本があります。神が男を男らしくユニークに造られたことを思い起こし、男性よもっとタフガイになろうじゃないか、という本です。本来男性は冒険を好み、戦う生き物だと語ります。その中で、美しいお姫様を救い出すという事は男に与えられた一つの大切な使命だという趣旨を述べています。
 エルドリッジの考え方を今日の箇所に当てはめてみると面白いですね。夫の人生は生涯一人の妻を救出し続けるためにある。主イエスが命を捨てたように、妻を助ける続けるように愛す。
 また、主イエスが罪に汚れた私たちを聖め栄光の姿に変えてくださることを私たちに適応するとこうなります。妻が満ち足りた人生が送れるように助け、養い育てるのは男の仕事です。妻を美しくするのは、男の責任です。

 妻から頼まれていた事を今すぐしましょう。棚を作ってほしいと言われて何日、何ヶ月たっていますか。休暇のスケジュールを今の内に相談して、先に予約を入れましょう。家計上の相談を妻と穏やかな心でしましょう。大事な記念日には照れずに花をプレゼントしましょう。

 
 それでは妻は何をすればいいのですか。

 まず、夫をリーダーと認めることです。キリストは教会のかしら、リーダーであると23節で書かれてあります。妻は、夫を家庭でリーダーと認めることが必要です。
 22節では、主に仕えるように夫に仕えるようにと言われており、24節ではすべてのことにおいて夫に仕えるようにと言われています。また、33節では、「妻もまた自分の夫を尊敬しなさい」とあります。

 今の夫では、とうてい尊敬できない、という奥さんがいます。かなりいます。すごくいます。でも、昔を思い出してください。彼が好きだという事は彼を尊敬していると同義語だったはずです。彼が握りこぶしを作り、腕の筋肉を見せたとき、あなたは何と言いましたか。「すごい筋肉!」たったそれだけのことですが、あなたは本気で彼を尊敬したはずです。彼への尊敬を言葉と態度で伝えていたはずです。実は、それが彼への愛の表現になっていました。
 男が最も求めているものは尊敬です。あなたから尊敬が伝わったので、あなたに愛を返していたのです。人の話を聞くなんて男の一番苦手な事ですが、あなたのつまらない話を真剣に聞いてくれたでしょう。それは、尊敬してくれたことへのお礼なのです。
 夫の尊敬できる点を真剣に探してください。お世辞ではなく、本音で尊敬できるところを、心を込めて夫に伝えてください。必ず何かが変わります。
 尊敬できるなら、そして、彼に助けてもらっていると認めるなら、あなたは夫に仕えることが自発的にできるはずです。

 アメリカに住んでる奥さんたち。ご主人の大好きなトンカツを作ってあげてください。台所が汚れるので嫌われるメニューですが、夫が好きなら作りましょう。愛は伝わります。手作りトンカツを使って、カツ丼を作ってあげて下さい。夫の顔はみるみる笑顔に変わります。そうすると、デートしてたときみたいに、あなたの話を聞いてくれるかもしれません。

 主イエスを見上げましょう。そうすると、夫は妻を愛せます。妻は夫に仕えることができます。

 「それはそうとして、あなたがたも、
 おのおの自分の妻を自分と同様に愛しなさい。
 妻もまた自分の夫を敬いなさい。(33節)

 さあ、あなたの番です。信仰は具体的生活に適用されることによって初めて目に見えるものになります。

□妻を愛すため、何をしますか。
□夫のどこを尊敬しますか。何をして自発的に仕えますか。
□あなたは若い夫婦から相談される年齢なら、何を助言しますか。
□あなたが、デイトしているなら、どんなデイトがふさわしいデートですか。
□夫婦関係が最悪の人。最後の選択は離婚でなく、キリストの愛です。