第2コリント3:1~18 御霊のあるところ 

 健康なクリスチャン生活の秘訣は、聖霊にあります。もっと、御霊を意識し、あがめ、導いていただきましょう。今日は、御霊に目を向けましょう。


1、私たちは、手紙

 コリント教会の一部の人たち、「ある人々」(第2コリント3:1)はパウロの使徒職を疑問視していたようです。それなら、ダマスコのアナニヤ(使徒9:10~20)にパウロの回心の様子をまとめてもらい、バルナバとペテロに正式な推薦状を書いてもらうことも可能でした。
 ところが、パウロは、そうしませんでした。その代わり、こう書いたのです。

 私たちの推薦状はあなたがたです。それは私たちの心にしるされていて、すべての人に知られ、また読まれているのです。(2節)

 コリント教会が存在していること。コリントの人々が持っている信仰そのもの。それが、パウロ人となり、働きを裏付けると説明しました。

 私たちにも同じことが適用できます。私たちはキリストの手紙であり、御霊によって書かれた手紙(3節)なのです。知られています。読まれています。周囲の人が、私たちの言動を見て、私たちに書き込まれたキリストを知るのです。私たちの存在そのものが、公開書簡なのです。

 私は一人の女性看護士を知っています。人の嫌がる仕事を笑顔でする人でした。入院患者の一人は、そのことに気づき、やがて彼女を通して教会に導かれイエスさまを信じました。彼女は周囲の人に読まれていたのです。キリストの香り(第2コリント2:15)を放っていたのです。

 あなたも、現代のキリストの手紙なのです。


2、古い契約と新しい契約

 次にパウロは、古い契約と新しい契約を対比して説明しました。(新約聖書の新約という言葉は、古い約束、古い契約と対比した新しい約束を意味しています)コリント教会に入り込んだ人々は古い契約の信奉者で、律法的な信仰を賞賛したのかもしれません。
 律法を行うことで義を神の義を得るという生き方がどれほど困難な生き方か、パウロは体験的に知っていました。(ピリピ3:4~7)
 そこで、以下のような対比を行い、新しい契約の優位性を説明しました。新しい契約とは、主イエスを信じるだけで義とされる救い、そして、御霊により日々変えられる生き方です。

 ・古い契約(14節)……………………新しい契約(6節)
 ・殺す(6節)……………………………生かす(6節)
 ・罪に定める(9節)……………………義とする(9節)
 ・やがて消え去る栄光(7節)…………永続するものの栄光(11節)

 モーセは、十戒を神から頂き、山から降りて来ましたが、その際、神の栄光を反映して顔が光っており、人々はモーセの顔を見据えることができませんでした。(出エジプト34:29~30、34)
 古い契約における栄光ですら、そのような輝きを持つのなら、新しい契約における栄光ははるかに優れてものであるはずです。


2、変えられる

 私たちクリスチャンは、何かの拍子に、昔の考え方に立ち戻る傾向があります。クリスチャン生活を、道徳や努力に置き換えてしまいがちです。
 救われたのは、主イエスの十字架の恵みです。救われた後も、主の恵みと聖霊の助けによって歩むのです。

 私たちはみな、顔のおおいを取りのけられて、鏡のように主の栄光を反映させながら、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられて行きます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。(18節)

 ・どうすれば変えられるのですか。(16節)主に向くならです。
 ・誰によって変えられるのですか。(18節)御霊なる主です。
 ・誰が変えられるのですか。(18節) 特別な人でなく、みなです。
 ・どのようにして変えられるのですか。(18節)主の栄光を反映してです。
 ・どのような姿に変えられるのですか。(18節)主イエスと同じかたちにです。

 私たちは、弱く、罪を犯しやすい者です。その上、繰り返し失敗をします。嘘をついた、会社の金を盗んだ、インターネットでポルノを見た、人の悪口を流布した、自分を良く見せようとして事実と違う印象を与えた、人の業績を自分の成果にした。

 まじめに生きよう。自分をコントロールしよう。そうした努力はとても大切です。ただし、聖霊の助けを排除して、自分だけで頑張ろうとするなら、律法的な生き方に陥ってしまいます。それは、成功すれば傲慢になり他人を裁く態度となり、失敗すれば信仰自体が破綻寸前となる実に不安的な信仰になります。

 鍵は、聖霊にあります。聖霊が私たちの希望です。

 私たち自身を聖霊に委ねましょう。聖霊に取り扱っていただきましょう。

 私は、岩渕まことさんの著書『気分は各駅停車』を何度か読み返しました。飾らない信仰体験がしっとりと心に染み込みます。小学1年の娘さんが脳腫瘍になり、祈り、苦悩され、その中で「父の涙」という歌ができたこと。その作詞作曲したとき、ご自身も泣いておられたこと。医師から「強いですね」と言われたけれども、そう見えたのならイエスさまのおかげと話しておられること。とても素晴らしい本です。

 クリスチャン人生は、山もあり谷もあります。輝きもあり闇もあります。負のスパイラルに陥ることもあり、主と共に水の上を歩くときもあります。
 大切なことは、御霊と共に歩むことです。御霊の促しに従うことです。聖霊に作り変えていただくことです。

 第2コリント3:18を心にとめましょう。

 私たちは、………栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられて行きます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。(18節)

 御霊なる主よ。私を変えてください。

→あなたの番です
 □私たちはキリストの手紙です。周囲の人に読んでもらいましょう。
 □人間的な力みから離れて、御霊にゆだねた生き方を選びましょう。
 □私たちは、みな、主と同じかたちに変えられる。この聖句を信じましょう。