ヨシュア記8:1~35 出直し

あなたは失敗を恐れないタイプですか。それとも、失敗を心配するあまり動けなくなりますか。では、あなたは、部下や後輩や子供たちに完璧を求めますか、それとも、基本がぶれなければ自由に任せるタイプですか。
 それでは、神は、どんな姿勢で私たちに関わってくださるのでしょうか。


1、戦いの全貌
 
エリコの戦いと今回の戦いでは、どこがどう違いますか。8章の全体の流れをまず押さえておこう。
「戦う民全部を連れてアイに攻め上れ。」(ヨシュア記8:1)主は全力で戦えとヨシュアに指示された。前回は、3千人程度で戦ったが、今回はゆうに3万人を越える全力戦だ。(3節)
 次に、主は、敵をあざむく作戦で戦えと言われた。「あなたは町のうしろに伏兵を置け。」(2節)そこで、ヨシュアは、夜のうちに敵地近くに潜み、西側に伏兵の兵士らを隠した。(12~13節)翌朝早く、イスラエルの民は前と同じように戦いに出て、しばらく戦うと劣勢にみせかけて背を向けて逃げ出し(14~16節)、主の指示を受けるとヨシュアは合図の投げ槍を高く差し伸ばした。(18節)すると、背後に隠れていた味方がアイの町に入り、火を着けた。(19節)立ち上る煙を見て、ヨシュアたちは向き直り反撃し、敵は挟み撃ちになり(20~22節)、ヨシュアは見事に勝利した。(25~29節)
その後、ヨシュアは、エバル山をのろいの象徴とし、ゲリジム山を祝福の象徴としみなし、(30~35節)、エバル山の祭壇には基本的律法が書かれた、人々はみことばを聞き、大声でアーメンと応答したことだろう。これは、モーセが申命記で命じていた事柄(申命記27:1~26)で、人生を神の祝福に満ちたものにするのは、私達の信仰と決断によると教えている。

 ヨシュアが夜中過ごした場所は、ベテルとアイの間に当たる場所で、約束の地を与えると神がアブラハムに語られた場所でした。(創世記12:7~8)


2、もう一度やってみる

上司に連絡や報告や相談しなくてもいい不思議な会社が日本にあります。何かにチャレンジして失敗しても異なる失敗なら、100回失敗しても問題にしない。社員が上司に相談もなく勝手に支店を開設してもいい。
残業禁止。全員が社員。給料は年功序列、定年は70歳。改善提案するだけで500円、良い内容なら3万円を支給。有給休暇以外に140日の休暇。子供が生まれたら育児休暇が3年。特許登録数は、ソニーや松下などの大企業についで日本で20位。社員約千人、売り上げ200億、創業以来46年間赤字なし。社長は社員のやる気を引き出すわざに長けています。

主なる神は、ヨシュアに基本となる方向性と、励ましの言葉を与えました。

主はヨシュアに仰せられた。「恐れてはならない。おののいてはならない。戦う民全部を連れてアイに攻め上れ。見よ。わたしはアイの王と、その民、その町、その地を、あなたの手に与えた。」(ヨシュア記8:1)

 主の基本方針は「アイに攻め上れ」でした。アイという苦手な町を後回しにして、他の町を攻める方法だってありますが、負けた相手にもう一度立ち向かえと主は言われます。イスラエルの民には直すことが必要でした。

やり直すとき、また失敗するのではと私たちは怖気づきます。それで主はヨシュアたちを励ましました。恐れるな。英語の聖書で読むと分かりやすいですね。Do not be afraid; do not be discouraged. 神は励ましの天才です。

神がなさることは、第一に、基本方針を示すこと。第二に、励ますことです。

逃げるのはもうやめよう。苦手な事に立ち向かおう。追試験を受けて合格してみよう。

 あなたの番です。神は、あなたに、どんな基本方針を示しておられるか、良く考えましょう。神からの励ましの言葉をしっかりと受け止めて下さい。
あなたがかつて失敗したことは何ですか。逃げ出したことは何ですか。主は、言われます。失敗を恐れるな。今度は、あなたの持てる力を出し切ってみなさい。


3、伏兵

あなたがエリコとその王にしたとおりに、アイとその王にもせよ。ただし、その分捕り物と家畜だけは、あなたがたの戦利品としてよい。あなたは町のうしろに伏兵を置け。(2節)

 エリコの戦いの特長は、沈黙と祈りと神の力でした。アイでの戦いは、神が基本方針を示し伏兵という秘策をさずけ、ヨシュアが作戦を考え抜き連携を図って見事に成し遂げた戦いでした。神と人とのみごとなチームワークです。

そのとき、ヨシュアは彼らに命じて言った。「聞きなさい。あなたがたは町のうしろから町に向かう伏兵である。町からあまり遠く離れないで、みな用意をしていなさい。私と私とともにいる民はすべて、町に近づく。彼らがこの前と同じように、私たちに向かって出て来るなら、私たちは彼らの前で、逃げよう。彼らが私たちを追って出て、私たちは彼らを町からおびき出すことになる。彼らは、『われわれの前から逃げて行く。前と同じことだ。』と言うだろうから。そうして私たちは彼らの前から逃げる。(4~6節)


神は方針を示し、細部は人に任せる。


これが、神のなさる方法です。神は、ヨシュアを信頼されたのです。私たちも、神に信頼されているのです。

 過疎の町、徳島県上勝町を明るい町に変えたのが20代の男性だと知って私は大いに励まされました。その男性は、葉っぱ、つまり料亭などの料理を飾る<つまもの>を町の名産品にしようと着想し、多くの人の協力を得て、町の年商を2億6千万円までに成長させたというのです。柔軟でクリエイティブな考え方と、実行力が素晴らしいと思いました。


 さあ、私たちも出直しましょう。やり直そう。考えよう。あなたが始めようとする<とんでもないこと>を神は待っておられます。

 神の基本指示を受けると、私たちは自信をもてます。神からの励ましを受けると、自発性が出てきます。神に信頼され、任されると、クリエイティブな部分が活性化されます。

 「恐れてはならない。おののいてはならない。戦う民全部を連れてアイに攻め上れ。」


 →あなたの番です。
 □神からあなたへの基本指示は何ですか
  □再試合で今度は勝ちたい相手とは何ですか
  □Think different in Jesus.