第1サムエル2:1~26 主にも、人にも愛されて


 
 「神は、本当にいるんだ。」
 そう体感した瞬間がありますか。
 背筋がぞくぞくして、鳥肌が立って、目が大きく見開かれる瞬間のことです。


1、ハンナの祈り

ハンナは男の子を授かった経験を通して神の力を目の当たりにしました。それで、ハンナは1節から10節で、比類なき神をたたえました。

主のように聖なる方はありません。あなたに並ぶ者はないからです。私たちの神のような岩はありません。(2節)

 圧倒される経験、言葉を失う体験、現代人はそれを失いました。オーロラをこの目で見たい、氷河が海に落ちる音を聞きたい、アラスカの海でセミクジラがジャンプする姿を至近距離で見たい、それらを体感して大自然を造られた神をたたえたい。
 自分が思い描く神は、私が期待する神の姿であり私の創作物です。まことの神は、私たちの枠組みを超えた方です。6節を読むとそれが少し理解できます。

主は殺し、また生かし、よみに下し、また上げる。
主は、貧しくし、また富ませ、低くし、また高くするのです。(6節)

 神は、神の時に、神の方法で、事を行われます。それゆに神なのです。ちりとか、ゴミ捨て場の灰からも、主は人を引き上げて栄光を与えることができるのです。
成功者の多くは横柄になって(3節)身を滅ぼしますが、ハンナは一層謙虚になり、ただひたすらに神をたたえました。

比類なき神、圧倒的な存在、真の主権者、全能者、まことの神の前で、心ひれふしましょう。
圧倒され、言葉を失い、神を礼拝しましょう。


2、祭司エリの息子たち

 祭司エリの二人の息子たちホフニとピネハスは、圧倒的な神に目を向けようともぜず、神を無視しました。彼らは、よこしまな者で、主を知ろうともしません。(12節)神へのいけにえの肉のうち一番おいしいところを腕ずくで奪い(12~17節)、性的な逸脱行為(22節)を平気で行い、親の叱責を無視しました。それで「彼らを殺すことが主のみこころ」(25節)だと主は厳しい最終結論を出しました。

 ホフニとピネハスの問題点は4つああります。1)我慢ができず欲望のままに行動する 2)他者を力ずくでコントロールする 3)神を無視し、親を尊敬しない 4)ごめんなさいと言えない

赤ちゃんや幼児は自分を中心に世界が回っていると考え、親や周囲の者を泣き声や笑顔でコントロールします。エリの息子たちの内面は幼児そのもので、心の成長が止まっていたのです。

 祭司エリは教育に失敗しただけでなく、大人になった息子たちへの警告と処罰を先延ばしにした。それで主は、「あなたは、わたしよりも自分の息子たちを重んじ」(29節)と叱責され、アロンの家系というプライドも家系断絶という厳しい処罰を言い渡された。(30~34節)

“ホフニとピネハス度”を自己チェックしてみましょう。
□最後は自分の主張が必ず通る
□周囲の人を自分の願うとおりに動かせる
□いつもイライラして、身近な人があなたの顔色を気にしている
□悪いのは自分以外の人間だと考えている

 多くの男性は二つの事しか考えていません。仕事の成功とストレス解消の自由時間。そこには妻や子供たちの入るスペースが存在しません。結局自分のことばかりです。

 もしあなたがエリの息子と似ているなら、あなたの身近な人は苦しんでいます。わがままを悔い改め、主イエスを信じて頼り、家庭や職場での行動パターンを変えましょう。
 「それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。」(マタイ7:12)


3、サムエルの成長

 祭司エリの劣悪な家庭環境に接していても、サムエルは立派に成長しました。

 「幼子は、祭司エリのもとで主に仕えていた。」(11節)
 「サムエルはまだ幼く、亜麻布のエポデを身にまとい、主の前に仕えていた。」(18節)
 「少年サムエルは、主のもとで成長した。」(21節)
 「少年サムエルはますます成長し、主にも、人にも愛された。」(26節)
 「わたしは、わたしを尊ぶものを尊ぶ。わたしをさげすむものは軽んじられる。」(30節)

サムエルが健全に育った秘訣は何でしょう。それは、「主の前に」、「主のもとで」という要素です。圧倒的な存在、言葉が出ないほどの比類なき神の前に立つようにと教えられました。

 また、仕えるという経験が有益です。仕える生活は、わがままの対局にある生き方で、尊敬、従順、自己管理、忍耐、創造力を養います。

 東大に入学できる子にするとか億万長者にするのが親の夢なら目標が小さすぎます。世界を変える人材を育てましょう。神にも人にも愛される人を育てて世に送り出すのが母の役目であり、教育の目指すところです。救世軍創始者の妻、キャサリン・ブースは、「世界はあなたを待っているよ」と子供たちを腕に抱きながら語り掛けていたといいます。

 圧倒的な存在の神の御前で謙虚に生き、神と人に積極的に仕える人になれるように育てましょう。これが教育の目指すところです。神を尊ぶものは神に尊ばれる(30節)のです。

 「少年サムエルは、主のもとで成長した。」(21節)

 →あなたの番です
 □比類なき主権者の神をたたえる
 □他人も自分も不幸にする自分勝手を捨て去る
 □主と隣人を愛する者になる