第1サムエル11:1~16 激しく燃えて


 水難救助の専門家によると、「助けて」と叫びながら水におぼれる人はいないそうです。「助けて」と言える余裕はないのです。
私たちが、解決不可能と思える問題に直面した時、どんな道があるのでしょうか。

1、ヤベシュの危機
 
 ヤベシュ・ギルアデはイスラエル人の町で、ヨルダン川の東側にあり、他の部族から孤立した自然環境に位置していました。ナハシュに率いられたアモン人に包囲されたヤベシュの人々は降伏しか道はありませんでした。ナハシュの出した条件は過酷で、全員の右眼をえぐり取るなら命は助けよう、というものでした。(1~2節)

 ヤベシュの長老たちは彼に言った。「七日の猶予を与えてください。イスラエルの国中に使者を送りたいのです。もし、私たちを救う者がいなければ、あなたに降伏します。」使者たちはサウルのギブアに来て、このことをそこの民の耳に入れた。民はみな、声をあげて泣いた。(第1サムエル11:3~4)

 ヤベシュの人々は必死でした。助けて下さいと全イスラエルに使者を送りました。サウルが住んでいたギブアの住民は、知らせを聞いて泣きました。
 泣く理由は何でしょう。敵が強すぎて、勝てそうもない。目をえぐるとはひどすぎる。時間がない。初めて聞く話だ。協力した立ち向かうのは無理だろう。無力と悲惨さに泣いたのです。

 人生で、私たちがヤベシュ・ギルアデの人々の立場になることがあります。夫婦問題、親子、子育て、失恋、孤独、金銭、職場、病気、いじめ、ひきこもり、暴力、自死、様々な問題が押し寄せます。その時は、ヤベシュの人々のように、助けを求めましょう。

 あなたの個人的問題は、あなただけの問題ではないのです。
「あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。」と第一コリントで書かれてあるとおりです。実は、多くの人があなたと同じ悩みを体験しています。経験者がいます。解決のリソースを持っている人がいます。あなたの心を励まし、支えてくれる人がいます。黙らないで。「私たちを救う者」(3節)が必ずいます。

 →あなたの番です
  □ヤベシュの人のようになったら、助けを求めよう



2、燃えたサウル

 サウルがこれらのことを聞いたとき、神の霊がサウルの上に激しく下った。それで彼の怒りは激しく燃え上がった。(6節)

泣くだけの人。動き出す人。あなたは、どちらですか。
「このしるしがあなたに起こったら、手当りしだいに何でもしなさい。神がともにおられるからです。」(10:7)とサムエルがサウルに言った言葉を思い出します。

彼は一くびきの牛を取り、これを切り分け、それを使者に託してイスラエルの国中に送り、「サウルとサムエルとに従って出て来ない者の牛は、このようにされる。」と言わせた。民は主を恐れて、いっせいに出て来た。サウルがベゼクで彼らを数えたとき、イスラエルの人々は三十万人、ユダの人々は三万人であった。(7~8節)

サウルはリーダーシップのある王になっていました。サウルの決断は、サムエルも支持する決断でした。人々は、サウルが怖くて従ったのではありません。主への恐れが人々に生まれ、サウルに従ったのです。

「あすの真昼ごろ、あなたがたに救いがある。」(9節)とサウルはヤベシュの人々に連絡し、人々は救出を確信して待ちました。これは、あなたへの勝利の約束の言葉です。

翌日、サウルは民を三組に分け、夜明けの見張りの時、陣営に突入し、昼までアモン人を打った。残された者もいたが、散って行って、ふたりの者が共に残ることはなかった。(11節)

サウルは熱いだけの男ではありません。主の導きと助けの中で、戦略を練りました。3方向からの攻撃と早朝奇襲攻撃により、眠っていた敵をみごとに打ち砕きました。

サウルと民は、完全勝利の後、南に下り、ヨルダン川西にあるギルガルでいけにえを捧げ、主を礼拝し、王としてのサウルを再確認しました。(14~15節)ギルガルはヨシュアがヨルダン川を渡って最初に主を礼拝した場所なので、あらたな旅立ちにふさわしい場所なのです。

主は使命を私たちに与えてくれます。成すべき事が見えたなら、激しく下る主の霊によって、私たちは燃やされ、かつ、協力者と計画が与えられます。
あなたの番です。泣くだけの者を止めて、燃えて動く人になりましょう。


3、自分に適用する

 サウルの動きが上図。それを、私たちに適用すると下図になります。

 

















 地域住民の悩みやニーズに応答し、そうした人々を助けたり、励ましたり、支えたりしていくうちに、新しいミニストリーが始まる場合があります。私たちの教会でしている幼児クラスも若いママのニーズに応えて開始したミニストリーです。

 私たちの辛い経験が新しいミニストリー誕生の糸口にもなります。

 →あなたの番です。
 □あなたの使命を見つけましょう
 □主の導きと主の霊を受け、祈りながら動き出しましょう
 □協力者や賜物のある人を募りましょう
 □戦略・計画を立てて実行しましょう

あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(第1コリント10:13)