第1サムエル12:1~25 それることなく


 人はまっすぐに歩けるのか。
 ドイツの学者たちが真面目に研究して2009年論文を発表しました。結論は、太陽や山など目安がないとまっすぐ歩けず、ぐるぐると円を描くことが分かりました。

 サムエルは、「わきにそれず、心を尽くして主に仕えなさい」(第1サムエル12:20)と注意を与えました。今日は、わきにそれない秘訣を聖書から学びましょう。


1、権力の誘惑に負けない

さあ、今、主の前、油そそがれた者の前で、私を訴えなさい。私はだれかの牛を取っただろうか。だれかのろばを取っただろうか。だれかを苦しめ、だれかを迫害しただろうか。だれかの手からわいろを取って自分の目をくらましただろうか。もしそうなら、私はあなたがたにお返しする。」彼らは言った。「あなたは私たちを苦しめたことも、迫害したことも、人の手から何かを取ったこともありません。」(3~4節)

白髪の目立つサムエルはトップの座から引退すると表明しました。30歳のサウル王が初陣を飾った後、サムエルは今後とりなしの祈りで横からサポートすると述べたのです。

サムエルは今までの生涯、清廉潔白に生きたこと証言しました。リタイヤして職場を去る時の挨拶と考えるなら、みとごな引退コメントです。1)人々から取ったことがない、2)人々を苦しめたことがない、3)わいろを受け取ったことがない。

リーダーは権利乱用の誘惑にさらされます。この分野でまっすぐ歩くことは、とても難しいのです。
長年アメリカの法曹界で活躍した人から直接話を聞伺ったとき、なるほどと思いました。「正しい人が犯罪を犯す。」外見のしっかりした良き市民が、犯罪を犯すのだそうです。
フランク・アバグネイルによると、アメリカの銀行で強盗に奪われる金額の5倍が銀行内部の横領で失われるといいます。

私たちは脇にそれやすいのです。今の立場を乱用して、人から奪う、誰かを苦しめる、わいろを取ることを止めましょう。



2、恩知らずにならない

彼らが、『私たちは主を捨て、バアルやアシュタロテなどに仕えて罪を犯しました。私たちを敵の手から救い出してください。私たちはあなたに仕えます。』と言って、主に叫び求めたとき、主はエルバアルとベダンとエフタとサムエルを遣わし、あなたがたを周囲の敵の手から救い出してくださった。それであなたがたは安らかに暮らしてきた。(10~11節)

 サムエルは、出エジプトの歴史に言及し、イスラエルの先祖たちが何度も主を裏切った事に目を向けさせました。主を忘れた。主を捨てた。まことに恩知らずだとサムエルは述べました。

 今回も、隣国のような王が欲しいと要求した背景に、主を忘れるという危険要素が隠れているとサムエルは見抜き、雷と雨によって主の警告を民に知らせました。

今は小麦の刈り入れ時ではないか。だが私が主に呼び求めると、主は雷と雨とを下される。あなたがたは王を求めて、主のみこころを大いにそこなったことを悟り、心に留めなさい。」
それからサムエルは主に呼び求めた。すると、主はその日、雷と雨とを下された。民はみな、主とサムエルを非常に恐れた。(17~18節)

 神から受けた恩を忘れないようにしましょう。恩を受けた人は、感謝する人に変わります。謙虚な人になります。

 母の日や父の日を子供たちに体験させるのは、意識転換のためにとても良い体験になります。もらう事に慣れてしまった現代の子供が、自分のお金や持ち物や時間を使って、親の喜ぶことを行うことに意義があるのです。それでは、「主の日」にはあなたは何をしますか。
 
もし、あなたがたが主を恐れ、主に仕え、主の御声に聞き従い、主の命令に逆らわず、また、あなたがたも、あなたがたを治める王も、あなたがたの神、主のあとに従うなら、それで良い。(14節)


3、主は見捨てない方

サムエルは民に言った。「恐れてはならない。あなたがたは、このすべての悪を行なった。しかし主に従い、わきにそれず、心を尽くして主に仕えなさい。役にも立たず、救い出すこともできないむなしいものに従って、わきへそれてはならない。それはむなしいものだ。(20~21節)

サムエルは、脇にそれるなと注意を与えましたが、われわれ人間は道からそれやすい存在です。でも、神は一筋の方です。
The Lord will not reject his people.「ご自分の民を捨て去らない」方なのです。

まことに主は、ご自分の偉大な御名のために、ご自分の民を捨て去らない。主はあえて、あなたがたをご自分の民とされるからだ。(22節)

私たちは、脇にそれやすい者です。でも、私たちを捨て去らない神がいるので、私たちはまっすぐに歩めるのです。

レア・ミラーという女性は44年間連れ添った夫に先立たれ、その5年後に家を火事で失い、「これで、イエスさまと二人だけになれた」と述べた人でした。彼女は自分の思いを詩にして書き留め、それが感動を呼び、書き写されて広まりました。その詩を自宅のピアノの上で見つけたジョージ・ビバリー・シェー(George Beverly Shea、1909~2013年)は、心を打たれ、作曲し、その日の礼拝で披露、音楽伝道者として自分をささげるとあかししました。その歌が「キリストにはかえられません」です。ジョージは2013年104歳で天に帰りました。脇にそれない人生を全うし、伝道者ビリー・グラハムのいく所で歌をもって主をたたえ続ける生涯となりました。
                                                                                      
心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。(箴言3:5~6)

→あなたの番です
 □権力の乱用をしない
 □恩知らずにならない
□見捨てない主に、お返しする