ヨシュア記14:10~12 今の自分を感謝する


 アメリカのサンクスギビングの時期は、日本で言えばお正月の雰囲気に似ています。遠くに散っている家族が一同に集まり、伝統的なターキーの料理とパンプキンパイを食べ、ゆったりと語り合い笑い合って過ごします。もともとサンクスギビングは、アメリカに渡った初代の移民たちが最初の収穫を感謝したお祝いの食事であり、神への感謝の礼拝の時でした。

 今日は、神から頂いた自分、そして、今の年齢を感謝することを考えたいと思います。

 まず、サムエル・ウルマン(1840~1924年)の「青春」という詩の冒頭部分を紹介します。

Youth                           by Samuel Ullman

Youth is not a time of life ;  it is a state of mind ; 
it is not a matter of rosy cheeks,  red lips and supple knees ; 
it is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions ; 
it is the freshness of the deep springs of life.

Youth means a temperamental predominance of courage over timidity of the appetite, 
For adventure over the love of ease. 
This often exists in a man of sixty more than a boy of twenty.
Nobody grows old merely by a number of years.   
We grow old by deserting our ideals.


青春   (サムエル・ウルマン  作山宗久 訳)

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ち方をいう。
バラの面差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく
たくましい意志、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

青春とは臆病さを退ける勇気
やすきにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うときはじめて老いる。

 私も先月60歳になりました。70歳や80歳の人は私を見て、「若いね」と言ってくれます。高校生や大学生は「先生、若い」とお世辞を言ってくれます。(若者がこう言う場合、歳のわりには若く見えるという意味ですね)孫は私を見るとニコニコして「おじいちゃん」と呼んでくれます。私は今の自分を感謝しています。

自分をマイナス評価する人が案外たくさんいます。自分の顔のパーツが気に入らない。太りすぎだ、やせすぎだと体形を気にする。能力やパーソナリティーに劣等感を持つ。自分の育った家庭や皮膚の色を嫌がる。自分の年齢をずっと隠す人もいます。
神にもらったかけがえのない自分と今の年齢をもっと感謝しませんか。あなたは失敗作品ではなく、神の芸術品だからです。

ヨシュア記14章には、一人のスーパーシニアが登場します。

今、ご覧のとおり、主がこのことばをモーセに告げられた時からこのかた、イスラエルが荒野を歩いた四十五年間、主は約束されたとおりに、私を生きながらえさせてくださいました。今や私は、きょうでもう八十五歳になります。
しかも、モーセが私を遣わした日のように、今も壮健です。私の今の力は、あの時の力と同様、戦争にも、また日常の出入りにも耐えるのです。
どうか今、主があの日に約束されたこの山地を私に与えてください。あの日、あなたが聞いたように、そこにはアナク人がおり、城壁のある大きな町々があったのです。主が私とともにいてくだされば、主が約束されたように、私は彼らを追い払うことができましょう。
(ヨシュア14:10~12)

カレブという人は85歳になっても、肉体、精神共に壮健でした。まさにスーパーシニアです。くじ引きで割り当て地を決めていた時に、ヘブロンを与えて欲しいと願い出ました。勝ち取るには困難な山地、強敵が住んでいる場所をあえて望みました。
カレブは40歳の時、12人の斥候の一人として約束の地を偵察しました。そのうち10人は無理だ勝てない戦いは止めるべきだと主張しましたが、ヨシュアとカレブだけは必ず勝てると信仰に立って反論しました。あれから45年、カレブの信仰は衰えず、85歳になっても再び信仰の冒険に取り組もうとしました。
カレブにとって、自分がシニアであるとか、85歳だとか、年齢など何の関係もありませんでした。今の自分を感謝し、主のためにできることをしたい、それだけでした。「主があの日に約束されたこの山地を私に与えてください。」

あなたの番です。
あなたは今何歳ですか。今日があなたの人生でもっとも若い日です。自分の年齢と賜物と経験を主に感謝しましょう。そして、今の自分で主と人々にお仕えしましょう。

私は、日本で田原米子さんというクリスチャンに出会いました。最初の出会いの時は体が震えるほど感動しました。自分に与えられた人生と命を感謝している人でした。
米子さんは、高校3年生のときに鉄道自殺を試み、両足の膝から先を失い、左手は肩からすべてを失った人です。入院治療中に米子さんは自暴自棄になっていました。そんな時にクリスチャンが彼女を訪問し、主イエスを伝えました。何度か福音を聞くうちに、米子さんは主イエスを自分の救い主として信じ受け入れました。その結果、人生が180度変わりました。生き残っても両足もない、左手もない。右手に3本しか指がないと思っていましたが、主イエスを信じた後は、「指が3本も残っている」と気づき、感謝するようになりました。義足で歩けるようになり、やがて結婚、二人の子供を産んで育てて、彼女の半生の映画が作成され、日本だけでなく海外でも主イエスのあかしをして、67歳で天に帰られました。

この感謝祭のシーズン、今のあなたと今の年齢を主に感謝しましょう。そして、今の自分を主にささげ、主に用いていただきましょう。

「今や私は、きょうでもう八十五歳になります。
しかも、モーセが私を遣わした日のように、今も壮健です。」(ヨシュア14:10~11)