出エジプト31:1~11 神をたたえるクリエイティブな賜物


 私たちの教会の今年のテーマは「賜物を生かして主に仕える」です。それで、4回にわたって、神が与えて下さった賜物について考えてみます。
 第1回目の今日は、クエイティブな賜物を取り上げます。


1、ベツァルエル

主はモーセに告げて仰せられた。「見よ。わたしは、ユダ部族のフルの子であるウリの子ベツァルエルを名ざして召し、彼に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たした。それは、彼が、金や銀や青銅の細工を巧みに設計し、はめ込みの宝石を彫り、木を彫刻し、あらゆる仕事をするためである。(出エジプト31:1~5)

 幕屋建設のため、主ご自身がベツァルエルを総監督に任命されました。「ベツァルエルを名ざして召し」とあります。神は誰にデザインやアートの賜物を与えたのかを知っておられます。また、その賜物を持った人物に活躍してもらうタイミングを知っておらます。主に必要とされる時が、賜物を発揮する時です。
ベツァルエルは恐れと喜びを感じたことでしょう。人類史上一度も作られたことのない移動式神殿を作る責任者に選ばれたのです。でも、一人でするのではありません。「神の霊を満たした」とあります。デザインする時と、制作するプロセスの両方の期間に主の霊が導いてくれます。つまり、計画段階でデザインする時、また、実際の作業を行う時の技術面においても、主の助けがあるのです。

すなわち、会見の天幕、あかしの箱、その上の『贖いのふた』、天幕のあらゆる設備品、机とその付属品、純金の燭台と、そのいろいろな器具、香の壇、全焼のいけにえの祭壇と、そのあらゆる道具、洗盤とその台、式服、すなわち、祭司として仕える祭司アロンの聖なる装束と、その子らの装束、そそぎの油、聖所のためのかおりの高い香である。彼らは、すべて、わたしがあなたに命じたとおりに作らなければならない。」(7~11節)

ベツァルエルは、建築、彫刻、絵画、インテリアデザイン、ファッションデザイン、ジュエリーデザイン、インダストリアルデザイン、香水の調合などを手掛けたことになります。余談ですが、イスラエルにはベツァルエル美術大学がありますがベツァルエルの名が付けられている理由が分かりますね。

絵画、彫刻、版画、デザイン、建築、書道、文章、詩作、俳句、陶芸、お花、写真、web デザイン、映画、ラップ、編集など、クリエイティブな賜物を主から頂いていますか。それを、主の栄光のために用いましょう。
主はクリエイティブな賜物を誰に与えたかを知っておられ、あなたの名を呼んでおられます。与えられた機会に、与えられた賜物で応答しましょう。
                            



3、アサフ、ヘマン、エドトン

 また、歌うたいであるレビ人全員も、すなわち、アサフもヘマンもエドトンも彼らの子らも彼らの兄弟たちも、白亜麻布を身にまとい、シンバル、十弦の琴および立琴を手にして、祭壇の東側に立ち、百二十人の祭司たちも彼らとともにいて、ラッパを吹き鳴らしていた。――ラッパを吹き鳴らす者、歌うたいたちが、まるでひとりででもあるかのように一致して歌声を響かせ、主を賛美し、ほめたたえた。そして、ラッパとシンバルとさまざまの楽器をかなでて声をあげ、「主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで。」と主に向かって賛美した。そのとき、その宮、すなわち主の宮は雲で満ちた。祭司たちは、その雲にさえぎられ、そこに立って仕えることができなかった。主の栄光が神の宮に満ちたからである。(第2歴代5:12~14)

 ソロモンの神殿が完成した時に、アサフ、ヘマン、エドトンらの賛美リーダーとレビ人の聖歌隊とオーケストラが主への賛美を演奏しました。その時、「ラッパを吹き鳴らす者、歌うたいたちが、まるでひとりででもあるかのように一致して歌声を響かせ」とあります。
 「主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」と賛美しました、神殿奉献式に歌ったのは、神の愛でした。神の愛こそたたえるべき中心テーマなのです。
 「主に向かって賛美した」とあります。通常の音楽は、コンサート会場の人に向けて演奏され、人々は演奏者をたたえます。この箇所では、演奏者たちは会衆にではなく、神に向けて賛美します。神を賛美するための音楽だからです。その結果何が起きましたか。神の栄光が表れ、祭司たちがその場に立っていられないほどの主の栄光に圧倒されたのです。

アサフ、ヘマン、エドトンの3人は、ダビデ王の時代に任命されたレビ人の音楽家です。(第1歴代25:1)アサフはレビ人の筆頭賛美リーダーであり、作詞も行いました。詩篇73~83は彼が作った詩篇です。
エドトンは、十弦の竪琴や竪琴、シンバルなどの器楽オーケストラの指揮者で、作曲も行っていたようです。詩篇39、62、77篇表題を見るとそれが分かります。

第一歴代誌25:6~7を見ると、アサフ、エドトン、ヘマンが、「主にささげる歌の訓練を受けた」とあり、「彼らはみな達人であった」と書かれています。アーティステックな賜物は、表に見える華やかな部分だけでなく、人には見えない隠れた努力や血のにじむような訓練があることを忘れてはいけません。

賛美の賜物は、主の素晴らしさをたたえるために与えられました。ですから、礼拝の場で用いましょう。賛美リーダーたちは、礼拝者たちの心を励まし、主を見上げる助けをします。神への純粋な賛美は、それだけでなく、人の心に深い感動を与えるので、伝道としても用いられます。

音楽家バッハは敬虔なクリスチャンでした。ライプツィヒ時代の初期数年間は、礼拝テーマに合わせた教会カンタータを毎日曜ごとに作曲し演奏しています。バッハは、楽譜の冒頭に「JJ」と書き入れ、作曲が終わるとSDGと書き入れました。JJとは、Jesu juva!(ラテン語で、イエスよ、助けたまえの意味)、SDGとは、Soli Deo Gloria(神のみに栄光あれ)という意味です。バッハは、音楽の目的は第一は神に栄光を帰すことだと知っていたのです。

クリエイティブな賜物とは音楽や芸術に秀でた人だけのものではありません。毎日工場で働きながら、作業工程を改善することは、クリエイティブな賜物を職場に生かすことになります。家事・育児で毎日追われるような生活をしている主婦が、自分の役割を見つめ直すと、やり方が変わります。それもクリエイティブな賜物を生かすことです。

さあ、現代のベツァルエルたち、また、アサフやエドトン、あなたに与えられた賜物が用いられる時です。

ベツァルエルを名ざして召し、彼に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たした。(出エジプト31:2~3)

指揮者のために。エドトンの調べによって。アサフの賛歌
私は神に向かい声をあげて、叫ぶ。
私が神に向かって声をあげると、神は聞かれる。(詩篇77:1)

→あなたの番です
□主から与えられたクリエイティブな賜物を用いよう
□輝きとひらめきは主から来る
□鍛錬を忘れない