マタイ5:1~16 心の貧しい者は


 マタイの福音書5章~7章は同書の中心部分で「山上の垂訓」と呼ばれ、3章にわたって主イエスの教えの真髄がまとめられています。その基本テーマは、神の国の建設です。

 「山上の垂訓」を勉強し過ぎて迷路に入る人がいます。また、「素晴らしい教えですな」とほめるだけで一つも実行しない人がいます。「山上の垂訓」は実行するためにあるのです。


1、8つの心
 「~の人は幸いです」という、8つの項目を暗記して下さい。それは必ずあなたの人生を豊かにします。前半後半に分け、4項目ずつまとめれば簡単に覚えられます。時折、暗唱して自分の心をチェックして下さい。

 この8項目は、神の国を作るのはこのような人達であると述べているのです。あなたが、悲しむ人であっても、あなたは神の国を作る一員です。

 悪魔、欲望、人気、権力、富を誘惑に用いました。これらを獲得すると幸せになれると普通考えますが、主イエスはその一つにも言及されませんでした。

①心の貧しい者は幸いです。               天の御国はその人のものだからです。
②悲しむ者は幸いです。                       その人は慰められるからです。
③柔和な者は幸いです。                       その人は地を相続するからです。
④義に飢え渇いている者は幸いです。その人は満ち足りるからです。
⑤あわれみ深い者は幸いです。           その人はあわれみを受けるからです。
⑥心のきよい者は幸いです。               その人は神を見るからです。
⑦平和をつくる者は幸いです。           その人は神の子どもと呼ばれるからです。
⑧義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人のものだからです。
(マタイ5:3~10)

弱く、力なく、ピュアで、一見頼りないと見えるこうした人々でも、神に信頼して行動すると、神の国は着実に作られていきます。

 心の貧しい者とは、自分の罪を正直に認める人のことです。自分の弱さを知り、謙虚な心を持つことからすべては始まります。神の国の国民は全員、赦された罪人です。
悲しむ者とは、大切な人を亡くしたり、親友と離れ離れになったり、夢破れた人のことです。悲しみを経験した人は、社会の宝です。悲しんだ人は、人をいやす人になります。  柔和な人は、存在自体が世の光です。その人の温かさ、柔らかさ、安定さが周囲の人を幸せにします。
義に飢え渇く人は、不正を見逃さず、苦しむ人を助けたいと願う人です。勇気の人、行動の人、変革の人です。

あわれみ深い者は、自分以外の人に目を向ける人です。他者の心に寄り添い、耳を傾け、持っているものを与え、支え、励ます人、つまり愛の人です。
心のきよい者は神のきよさに関心があり、他者を見下して特権意識を持つタイプではないので、神だけを見るようになります。
平和をつくる者は、暴力や嘘を用いません。争いの間に立つ勇気を持ち、忍耐強く平和を作ります。家庭にも、職場にも、国と国の間にも平和が必要です。
義のために生きると迫害されます。正義、愛、平和、信仰のために行動を起こせば、必ず反発や誤解や暴力を受けます。それでも進み続ける人が神の国を作ります。

あなたは、今、この中でどの心を持っていますか。
 あなたは、どんな心が欲しいですか。
 あなたは、この中で、何をしていますか。


2、地の塩、世の光

あなたがたは、地の塩です。もし塩が塩けをなくしたら、何によって塩けをつけるのでしょう。もう何の役にも立たず、外に捨てられて、人々に踏みつけられるだけです。あなたがたは、世界の光です。山の上にある町は隠れる事ができません。また、あかりをつけて、それを枡の下に置く者はありません。燭台の上に置きます。そうすれば、家にいる人々全部を照らします。
このように、あなたがたの光を人々の前で輝かせ、人々があなたがたの良い行ないを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい。(マタイ5:13~16)

 神の国を作ろうとする人は、主イエスを信じる信仰のゆえに、ののしられ、迫害され、ありもしないことで悪口を受けると主イエスは予告されました。そして、そんな時こそ喜びなさいと言われました。

 クリスチャンの基本的役割は、「塩」であり「光」だと主イエスは教えました。塩とは、社会の腐敗を止めるもの。光とは暗い世界を照らすもの。
 クリスチャンが、塩として働くことを止めるな、光であるのに隠れるな、と主イエスは言われました。私たちが誠実に歩むなら、人々は神の栄光を見ることになるのです。

インドは約100年間イギリスの植民地にされ苦しみました。独立のきっかけを作ったのはガンジーでした。イギリス政府が塩の専売を行い、インド人は海から塩を作ることさえ法律で禁じられてました。1930年3月12日、ガンジーはイギリス政府による塩の専売に抗議し、アフマダーバードからダンディー海岸まで380キロの道を80人の支援者と23日かけて歩き、数千人が途中から加わりました。この行進は大きな影響を与え、非暴力、不服従を貫いたガンジーがインドの独立を勝ち取りました。塩の行進はキング牧師に大きな影響を与え、1963年のワシントン大行進につながります。
銃撃事件で友達を失ったフロリダの高校生は、銃販売規制を求めて今年2018年3月24日にワシントンに集まります。新たな行進です。若い高校生たちもアメリカを変えることができます。

ある若いクリスチャン女性が会社で働いていました。所属部署では会社のお金をごまかしてみんなの飲食費に当てていました。上司は彼女に、そのお金の管理係りに指名しました。彼女は、その実体を初めて知って、これは間違ってます、いけないことです、私にはできませんとはっきり言いました。これも、神の国を作る小さな働きの一つです。

 罪を悔い改め、主イエスを信じた人は、神の国を作るという使命を与えられます。誰かに職業は何ですか聞かれたら、こう答えて下さい。「キングダムビルダーです」神の国を作ることが私の仕事で、そのために保険会社に勤務し、主婦をしていると考えて下さい。
山上の垂訓には神の国を作るために必要な、マインドとアクションが語られています。今日の箇所は、その中でも最も大切で基本的な心構えが書かれているのです。8つの心を持って、今週、あなたもキングダムビルダーになって下さい。

 →あなたの番です  
  □心貧しい罪人でも、悲しみで涙するあなたも、用いられる  
  □家庭と職場と社会で神の国を作ろう
  □小さくても光をともせば、神の栄光が現れる