エペソ6:10~13 戦いの備え

 今日のテーマは戦いです。

 信仰者が経験する戦いについて3つのポイントでお話しましょう。それは、敵の正体を知り、敵の策略を知り、戦いに備える、です。

1、敵の正体を知る

 パウロはエペソ人への手紙の最後の部分で、ファイティング・スピリットを持つことが大事だと述べました。戦に備えるようにと諭しました。なぜなら、人生はバトル・フィールドだからです。

 私たちの敵とは誰でしょう。

 人間は、私たちの敵はではありません。たとえ、キリスト教が大嫌いで悪態をつくおじさんも敵ではありません。会社のボスも敵ではありません。奥さんは、強敵かもしれません(笑い)。家族の誰も敵ではありません。何かと議論になってしまうウマの合わない仲間も敵ではありません。

 敵の正体を見間違えてはいけません。パウロはこう言っています。

 「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。」(エペソ6:12)

 血肉とは、血を持ち肉体を持つ人間のことを指します。本当の敵は、血や肉を持たない悪魔であり、また、その手下の悪霊たちです。
 主権、力、支配者、悪霊、とパウロは言及していますが、これらは様々なランクを持つ悪霊を表す名前です。

 戦いの激しさを印象付けるために、パウロは格闘と言いました。格闘とは格闘技、レスリングのことです。

 敵を見誤ってはいけません。人は敵ではありません。なまいきなあなたの子供は敵ではありません。いじわるな姑も敵ではありません。挨拶を無視する近所の人も敵ではありません。目に見えない悪魔が私たちの本当の敵です。




2、敵の策略を知る

 悪魔の正体は堕落した天使で(イザヤ14:12~14)、その活動の目的は人間を神から引き離すことで、人間を上回る力を持っています。

 「悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。」(11節)

 悪魔は常に私たちを倒そうとねらっています。策略とは、悪巧み、陰謀です。つまり、悪魔はわなを仕掛けているのです。

 典型的な悪魔の策略を8つ挙げてみました。あなたが経験したことのある悪魔の策略があったらチェックしてください。

①疑い
②恐れ
③悪しき思い
④失望落胆
⑤自尊心
⑥不幸、苦難、病
⑦争い
⑧繁栄や成功

 8つの内容を細かく見ていきましょう。

 まず、疑いです。聖書や神や教会に対して疑いを持たせる。これ一つで致命傷になり、人は神から離れます。この疑いの策略でアダムとエバは見事にやられてしまいました。(例:アダムとエバ。創世記3:1)

 恐れ。悪魔はあなたの心に恐れを注ぎ込みます。恐れとは、何かを失う恐れです。迫害が来ると命を失うことを恐れます。恋人、立場、人気、財産も失いたくありません。弟子たちは自分の命が惜しくて、主を見捨てて逃げました。(例:逮捕を恐れた弟子たち。マルコ14:50)

 悪しき思い。悪魔は、欲望、妬み、憎しみ、怒りなど否定的な感情や悪しき思いを種をまくように私たちの心にばらまきます。悪しき思いに支配されると誰かを傷つけたり、罪を犯したりしてしまいます。(ヤコブ1:14~15)

 失望落胆。失業した。失恋した。入学試験で落ちてしまった。どんな小さな事でも、落胆は神に背を向ける原因になります。(詩篇42:5)

 自尊心。プライド、それは悪魔が使い安い素材です。柔道の名人が素人を手際よく投げ飛ばす時のツボのような場所がプライドです。主イエスは、十字架ですべてのプライドを捨ててくださいました。(例:サウル。第1サムエル15:30)

 不幸、苦難、病。あらゆる種類の試練は、その苦悩ゆえに神から離れてしまうきっかけになります。悪魔はヨブをこの標的にしました。(ヨブ記2:4~5)

 争い。それはは悪魔の常套手段です。仲の良い人間関係に争いの火種をポイと投げ込む放火犯です。仲間割れしているとき正気に戻ってください。敵は人間ではないのです。(第1コリント1:11)

 最後に、繁栄や成功。宝くじで大もうけして、破滅した人を見れば分かるでしょう。成功した時、サタンはあなたのすぐ隣に立っています。(例:豊作と農夫のたとえ。ルカ12:16~20)

 今、あなたが直面している悩みは何ですか。あなたが対立している人は誰ですか。本当の敵は、それを喜んでいる悪魔です。策略に気づいてください。


3、戦いに備える

 ボーイスカウトのモットーは「備えよ常に」です。今日の箇所からいうならクリスチャンのモットーは、神の武具を身につけよ、です。

 パウロは、備えよと言いました。クリスチャンの戦いは、攻めですか、守りですか、その両方ですか。多くは、守りの戦いだと思います。ブラジルを敵チームとして戦う日本代表チームみたいですね。攻撃方法は守備を固めチャンスを見つけてカウンターです。悪魔は強敵です。そして常に常に仕掛けて来ます。ですから、迎え撃つ備えが重要なのです。ファイティングスピリットと怠りない準備が必要なのです。

 「終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。」(10節)

 英語の聖書は日本語よりも、もっと強い印象を受けます。Finally, be strong in the Lord and in his mighty power.(NIV) 強くあれです。

 この言葉で分かることは何ですか。私たちは弱い、ということです。素手では、悪魔には勝てないということです。だから、神の偉大な力をもらう必要があります。パウロは、神の偉大な力に満たされるようにと祈っていた箇所がありました。

 「また、神の全能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるかを、あなたがたが知ることができますように。」(エペソ1:19)

 「悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。」(11節)

 ここも英語聖書の方が響きが強く感じられます。Put on the full armor of God, so that you can take your stand against the devil’s schemes. (NIV) 

 神の武具できちんと戦いの備えをしましょう。すべてと書いてあるので、完全武装しましょう。守りの武具、攻めの武器、神が用意してくださった装備を全部身につけましょう。武具については来週詳しく見ることにします。
 
 「ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、いっさいを成し遂げて、堅く立つことができるように、神のすべての武具をとりなさい。」(13節)

 邪悪な日とあるので、社会全体が悪くなることが予想されま。でも、主にあるなら、主と共にいるなら、主下さる武具を身に付けるなら対抗できるのです。邪悪で、様々な策略を駆使する悪魔がいても、堅く立つことができるのです。何と言う力強い約束でしょう。

 本当の敵が悪魔であることを心にとめ、策略に足をすくわれることなく、戦いの備えを常にしておきましょう。

 カルバリチャペルのチャック・スミスは、とりなしの祈りを始めるととたんに戦いの領域に足を踏み入れていると気がつくと本に書いています。

 私たちも、正しく歩もうとしるとき、後ろから切りつけられることがあります。誰かを主イエスの救いに導こうとすると、槍が飛んできます。罪の中にいる人を連れ戻そうとすると、地雷原に足を踏み入れています。悩んでいる人を支えようとすると、空から爆撃されます。あなたは、戦いの最前線にいるのです。

 主は兵士を求めています。キリストのために戦う兵士を求めています。

 「そこで、わが子よ。キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。多くの証人の前で私から聞いたことを、他の人にも教える力のある忠実な人たちにゆだねなさい。キリスト・イエスのりっぱな兵士として、私と苦しみをともにしてください。」(第2テモテ2:1~3)

 フロリダに住むサンドラさんは、ハリケーン・アンドリューで一時避難しましたが、家に戻ると呆然としました。家は原型をとどめていませんでした。わずかに残った台所の壁のメモに気づきました。自分が書いたピリピ4:12の言葉でした。「あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。」

 チャールズ・スウィンドル牧師は、娘が学校で事故に遭ったと電話で知らされました。チェアリーディングの際、人間ピラミッドのてっぺんから落下し、後頭部を打って首から下が動かないと連絡を受けました。
学校に向かう車の中で大声でいやしと平安を祈りました。学校の駐車場で娘は、首から下の感覚がないのと泣き叫びました。「私はここにいるよ。主はここにいてくださる。愛しているよ」と落ち着いて対応できました。
 手術の結果、日常生活は支障ないほど回復し、後に結婚し二人の子供の母になっています。あの時、車中で経験した神の守りと臨在は圧倒的なものだったといいます。

 敵が悪魔であることに気づき、策略に注意し、神のすべての武具を身につけて戦いましょう。

 主はすでに世に勝ったと言われました。(ヨハネ16:33)主イエスを神の子と信じる者が勝利者です。(第1ヨハネ5:5)

→あなたの番です
 □あなたはどんな攻撃を受けていますか
 □本当の敵は人間ではない、と心に命じましょう
 □キリストの兵士として全面武装して、戦いに備えましょう