ローマ15:4 希望の書

  霊感された神の言葉、聖書は、私たちの人生に3つのものを与えてくれます。第一に忍耐、第二に励まし、第三に希望です。あなたが、今日必要なものは何ですか。

1、忍耐

「昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望を持たせるためなのです。」(ローマ15:4)

大きなリュックに重い本などを詰めて、学校のグラウンドを来る日も来る日も何週も歩く男性がいました。ヨセミテの奥深くに単独で入る訓練でした。鍛えれば筋肉は強くなり、苦しめば精神力が鍛錬され、高山の厳しい環境に耐えることができるのです。

忍耐は苦しみに耐える力です。苦しみに意味が見出せれば、私たちは苦しみに耐えられます。

過保護のママに育てられ、忍耐の訓練を受けなかった子供が大人になると、どうなるでしょう。長続きしない。すぐに文句を言う。人のせいにして、責任を取らない。楽しみを先延ばしすることができない。
忍耐は、実際に苦しむことを通して初めて身に付くものです。

けれども、この聖書箇所では、聖書を読むだけで忍耐が身に付くと書いてあります。それは、聖書の登場人物の経験に自分を重ね、神の介入の約束を信じることで忍耐する力が神から与えられるからです。

アブラハムも子供が与えられるまで長く忍耐しました。モーセは荒野で羊飼いを40年間しました。ヨセフは奴隷として売られ、エジプトの牢屋に入れられました。ヨブの忍耐は驚嘆すべきものです。こうした人々の苦労を読むと、今日の私たちが励まされます。忍耐すれば祝福が来る。我慢が豊かな品性を築くと信じられるのです。

「忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。」(ローマ5:4)


2、励まし

「昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望を持たせるためなのです。」(ローマ15:4)

多くの人が映画館に出かけるのは、なぜでしょう。励ましてもたいたいからお金を払っても行くのです。大画面と大音響と魅力的な人物たちによって、諦めるな、You can do it!と言ってもらいたいのです。君は愛される価値がある。やり直せる。そう言ってもらいたいのです。

創刊50年を越え、週刊誌の日本最高売り上を記録した雑誌マンガ雑誌の「週間少年ジャンプ」には3つのキーワードがあります。友情、努力、勝利。皆、励ましの要素ばかりです。

励まされる事の反対概念とは何でしょう。馬鹿にされる。無視される。一人ぼっち。頭から否定されること。私たちは、励ましの代わりにこうした否定的な言葉を聞いて生きています。

バッテリーがだめになって、誰かに助けてもらった人がいますね。ジャンプケーブルでつないでもらうと、動けなかった車のエンジンがかかります。励ましを受ける事は、その状態に良く似ています。落ち込んでいたはずの自分の中に、新たな意欲が湧き出てきます。決心がついて、実際に行動に取り掛かれます。

励ましとは、自分の外側からやってくる人格的な応援のことです。

励まされると、やる気が出ます。励まされると失敗から立ち直れます。喜びが生まれます。毎日の繰り返しに新鮮さが生まれます。別の方法に気づきます。肯定的な思考になります。
神は、行き詰った人を何度も励ましています。肯定的な言葉、愛の言葉、共にいるという安心感の提供、使命に目ざめさせる言葉、時には厳しい罪の指摘による励ましさえあります。

恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。(イザヤ41:10)

その夜、主がパウロのそばに立って、「勇気を出しなさい。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなければならない。」と言われた。(使徒23:11)

正しい者は七たび倒れても、また起き上がるからだ。悪者はつまずいて滅びる。(箴言24:16)

ノーベル賞作家パール・バックは、「何事も、不可能だと証明されるまでは可能だ。しかも、それは、今は不可能ということでしかない」という元気の出る言葉を残しています。


3、希望

「昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望を持たせるためなのです。」(ローマ15:4)

カールズJr.のコップにこんなことが書いてありました。コップに半分しか入っていないと考えるか、半分も入っていると考えるか。あなたはどちらのタイプですか。
本当はどちらでも良いのです、何回もソーダをリフィールできるのですから。

希望の反対は、失望というより落胆です。もうだめだ。何をしてもうまくいかない。否定的な気分に支配されるのです。
有名な物語や映画には、決まってネガティブな脇役がいて、ヒーローを際立たせる役割を担っています。スターウォーズの登場人物なら、金ぴかロボットのC3P、ナルニア国物語なら「どろ足にがえもん」です。あなたが否定的な脇役になる必要はありません。あなたが人生の主役なのですから、希望をもらって前に進みましょう。

もしあなたが、忍耐という状態にいるなら、涙があるかもしれませんし、あなたはきっと一人で苦しみに耐えているところでしょう。そんな時に、あなたの外から、あなを愛する神から励ましの言葉が届きます。あなたの外側から希望の火があなたの心に点火されます。すると、あなたはいつの間にか希望に向かって歩き出していることでしょう。

希望を持つと、可能性を信じられるようになります。未来の絵を描けます。神が共にいるので、安心感が周りをおおいます。願いがかなうという楽観的な見方ができます。目の前の困難が小さく見えます。否定的な気持ちを捨てられます。まだ間に合うと思えます。

聖書には、希望の言葉があふれています。
「こういうわけで、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。」(第1コリント13:13)

あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(第1コリント10:13)

聖書が単なる知識や知恵の総合案内ではなく、神が忍耐と励ましを与え、希望の火をともしてくれる書であることが分かるでしょう。

神は、聖書でこう伝えたいのです。
あなたの存在を喜んでいる。
あなたの罪を赦したい。
過保護にせず、あなたを鍛えよう。
あなたは必ず成長できる。
あなたは、誰かを励ます人になれる。

ルサーとジェニーは第二次世界大戦前に結婚した若い夫婦でした。ルサーは空軍に入りB-17爆撃機の乗組員になりヨーロッパ戦線に遣わされました。2年間会えない日々が続きましたが、ある日夫から手紙が届き、編隊が移動する際に愛するあなたの上を飛ぶという知らせが届きました。その日、ジェニーは空を見上げました。町の人も大勢その様子を見に集まりました。下の窓からルサーが手を振るのが見えるほど爆撃機は超低空でやってきて、一つの小箱をパラシュートに付けて投下しました。箱の中にはヨーロッパのみやげや手紙が入っていました。
数日後、ジェニーは不思議なドレスを着て町を歩きました。迷彩色のパラシュートを切り抜きワンピースに仕立てたドレスでした。ルサーの愛に包まれて歩いていたのです。

あなたに投下された神からのプレゼントが聖書です。それを読むと忍耐が与えられ、励ましで力づけられ、希望を持てるのです。あなたは、神からの愛のパラシュートを身に付けて毎日を生きることができるのです。聖書はそんな、希望の書です。さあ、毎日聖書を読みましょう。


→あなたの番です
□つらくても我慢しよう。苦しみに意味がある。
□神の励ましをしっかり受け止めよう
□神に希望を置いて、行動を起こそう。まだ間に合う。

「昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望を持たせるためなのです。」(ローマ15:4)