ヨエル書、ミカ書


 今日は、小預言書の中からヨエル書とミカ書を取り上げます。

1、ヨエル書

かみつくいなごが残した物は、いなごが食い、いなごが残した物は、ばったが食い、ばったが残した物は、食い荒らすいなごが食った。(ヨエル1:4)

ヨエル書と言えば、イナゴの描写です。現代でもイナゴの異常発生で作物が被害を受けることがありますが、ヨエルの時代にもそれが起きました。それをきっかけに、もっとひどいことが起きる、外国の軍隊が押し寄せて来るとヨエルは予告しました。主の日が来る、悲惨な時が来る、だから「断食と、涙と、嘆きをもって」(2:12)「心を引き裂き」(2:13)悔い改めて主に立ち返るようにと教えました。「主は情け深く、あわれみ深」い(2:13)お方だから、「わざわいを思い直してくださる」(13)と述べました。

破壊の予告だけでなく、これから起こる素晴らしい事柄も語りました。

 「その後、わたしは、わたしの霊をすべての人に注ぐ。あなたがたの息子や娘は預言し、年寄りは夢を見、若い男は幻を見る。」(2:28)

旧約時代、神の霊は一部の優れた者にだけ注がれました。信じるすべての人にも注がれる時が来るのです。これは、使徒2章、ペンテコステの日に成就しました。今、聖霊は信じる私たちの者に注がれています。聖霊により、私たちは神の視点で政治や経済や世界を見ることができます。神のビジョンに気づきます。神の夢を自分の夢にできます。

1800年、イギリスの田舎に貧しいメリー・ジョンソンという女の子がいました。教会の礼拝が好きで、聖書を読みたいと思いました。当時、聖書は高価だったので買えませんでした。6年間こつことつお金をためて、16歳の時に大きな町まで42キロを裸足で歩いて聖書を買いに行きました。トーマス・チャールズ牧師は、あいにく販売できる聖書はないと答え、メリーはそれを聞いて涙を流しました。それを見て、牧師は売約済みだった聖書を3冊渡し、1冊はあなたのもの、2冊は必要な人にあげなさいと言いました。この出来事をきっかけに4年後、聖書協会が創立され、自分の言語の聖書を適正な価格で変えるようにという運動が始まりました。チャールズ牧師は神のビジョンを見たのです。

今は、どんな時代なのでしょうか。あなたは、聖霊によってどんな夢を描きますか。


 
2、ミカ書

 ミカは「ユダの王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ」(ミカ1:1)の時代に活躍しました。イザヤと同時代の預言者です。

外敵の圧力が高まる中で、権力者は正義を捻じ曲げて人民から搾取していましたが、ミカはそれを厳しく批判しました。そのようなことを続けるなら、エルサレムは廃墟となり(ミカ3:12)、アッシリヤに滅ぼされ(5:5)、バビロンに捕囚(4:10)として連行されると予測しました。

預言者とは暗闇に光を見る人です。希望の光が見えているのです。
ミカは、そのような暗闇の時代に、救い主がベツレヘムで生まれ(5:2)、良き羊飼いになると予告しました。(2:12、5:4、7:14)

ベツレヘム・エフラテよ。あなたはユダの氏族の中で最も小さいものだが、あなたのうちから、わたしのために、イスラエルの支配者になる者が出る。その出ることは、昔から、永遠の昔からの定めである。(5:2)

戦争と不平等と一部の者だけ富む時代に、平和の到来(5:10)、エルサレムを中心とした礼拝(4:1~2)が起こると確信を持ちました。

困難で先の見えない時代、人々は自分だけの富や快楽を追及して他者を踏みつけますが、そんな時だからこそ、正しく、誠実に、謙虚に、神と共に歩むことが必要なのです。

「主はあなたに告げられた。人よ。何が良いことなのか。主は何をあなたに求めておられるのか。それは、ただ公義を行ない、誠実を愛し、へりくだってあなたの神とともに歩むことではないか。(6:8)

主と共に頑張って行動しても倒れる時がありますが、次の言葉を心に留めてください。

「私の敵。私のことで喜ぶな。私は倒れても起き上がり、やみの中にすわっていても、主が私の光であるからだ。」(7:8)

私たちは罪を犯して失敗し、打ちのめされそうになります。でもミカは、罪を赦す神がいる、こんな神は他にいない、主はあなたの罪を海底に投げ捨ててしまわれると語ります。

あなたのような神が、ほかにあるでしょうか。あなたは、咎を赦し、ご自分のものである残りの者のために、そむきの罪を見過ごされ、怒りをいつまでも持ち続けず、いつくしみを喜ばれるからです。もう一度、私たちをあわれみ、私たちの咎を踏みつけて、すべての罪を海の深みに投げ入れてください。(7:18~19)

ある女性が赤ちゃんを産みましたが、2時間で亡くなりました。それから10年たって、その夫婦はこう考えるようになりました。あの子がいたから、今の自分がある。あの子のために生きよう、あの子の分まで生きよう。そう考えると生き方が変わったといいます。
倒れても起き上がれます。暗闇でも、光があります。主と共に歩みましょう。


 →あなたの番です 
 □周囲に流されず、誠実に、謙虚に、主と共に歩もう 
 □主は私たちの罪を赦し、海底に沈めて下さる方
 □今が暗闇でも、光を信じよう